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週間ASEAN経済ニュースまとめ 9月28日〜10月4日

対象期間 2026年9月28日〜10月4日/掲載 156本

タイでは9月下旬の記録的豪雨による洪水が48県に及び、GDPを押し下げる試算が相次いだ。トヨタやホンダなど自動車各社が生産を一時停止し、タイ国際航空はCEOを停職処分とした。一方でベトナムは株式市場がFTSE新興国指数に格上げされ、FDIや工業生産が過去数年で最高水準に達するなど対照的な好調を示した。シンガポールは輸出が46.2%増と伸び、通年予測を上方修正した。フィリピンではGCash運営MYNT(タイの国営電気通信会社)が大型IPOを進め、マレーシアは製造業PMIが節目を割り込みAirAsiaの資金繰り懸念も浮上するなど、国ごとの明暗が分かれた一週間だった。

日系企業の投資が目立った。コクヨはベトナム文具大手ティエンロンの株式を最大65.01%、280億円で取得する計画が承認され、子会社へ28億円を追加増資した。東芝はフィリピンでHDD工場を拡張し3000人の雇用創出を見込み、日系半導体大手もバタンガス州に20ヘクタールの新工場建設に着手した。凸版ホールディングスとBroadcomの合弁ASTはシンガポールでAI向け半導体基板工場を開所。フィリピンではGCash運営MYNTが最大609.2億ペソのIPOを実施し、三菱自動車はHEV生産に70億ペソを投じる。ベトナムの製油所NSRPは初の黒字化、デンマークのPandoraも1.5億ドルの新工場を稼働させた。

金融・規制面では、ベトナム国家銀行(ベトナムの中央銀行。銀行監督も担う)が預貸比率の上限を85%から95%に引き上げ、不良債権担保の差押え権も恒久法制化した。インドネシア国会は2027年度予算案を可決し、歳出4106兆ルピアの規模となった。シンガポール金融管理局(中央銀行と金融監督当局を兼ねる)は資産運用業界向けに税優遇や新ビザ区分を含む振興策を発表し、タイは第14次国家経済社会開発計画でGDP成長率3%超の維持を掲げた。フィリピンでは所得税非課税枠を25万ペソから35万ペソへ引き上げる法案が提出され、インドネシアも同様の見直しを検討している。格付けではタイの見通しがフィッチにより「安定的」に引き上げられ、マレーシアはS&Pが「A-」を据え置いた。

好調が際立ったのはベトナムとシンガポールだ。ベトナムは貿易収支が9月に12.7億ドルの黒字に転じ、9カ月連続の赤字局面に終止符を打ったほか、工業生産は2019年以来の高成長率を記録した。シンガポールも非石油輸出が46.2%増と伸び、通年成長予測を14〜16%に引き上げた。対照的にタイは洪水被害で工場停止や物流停滞が相次ぎ、マレーシアは製造業PMIが49.9と節目を割り込んだ。フィリピンは製造業PMIが54.9から49.6へ急落する一方、電動車販売は215%増と伸び、インドネシアはGoTo(配車・決済のGojekとEC最大手Tokopediaが2021年に統合したインドネシア最大のテック企業)株急落や繊維産業の投資停滞が目立った。

日本企業の動きからは、ベトナムとフィリピンへの投資継続という流れが読み取れる。コクヨのティエンロン買収や東芝・半導体大手のフィリピン工場拡張は、タイ一極依存を避ける供給網分散の動きと重なる。一方でタイの洪水はトヨタ・ホンダなど既存の現地生産拠点に直接の影響を及ぼし、工場停止や部品調達難が複数週にわたって続いた。資産運用面では、シンガポールのMAS施策や凸版・Broadcomの半導体合弁のように、日系企業が東南アジアの金融・テクノロジー分野の制度整備に合わせた投資判断を進めている様子がうかがえる。

今週の注目

国・地域別

インドネシア(29本)

インドネシア国会が2027年度予算案を可決したことが最大の動きだった。歳出4106.26兆ルピア、歳入3435.1兆ルピアの規模となる。別の動きとしては、審議中の労働法改正案が週40時間労働規制を含むため、中国など外資の繊維産業投資が停滞していることも明らかになった。

インドネシアの記事をすべて見る(ほか19本)

ベトナム(23本)

ベトナム株式市場がFTSEラッセル(英国の株価指数算出会社。新興国・先進国の市場区分を決める)の指数で新興国入りしたことが最大の動きだった。最大9448億円の資金流入が見込まれるという。別の動きとして、9月の貿易収支が12.7億ドルの黒字に転じ、1月から続いた9カ月連続の赤字局面に終止符が打たれたことも明らかになった。

ベトナムの記事をすべて見る(ほか13本)

タイ(31本)

9月下旬の豪雨・洪水による経済被害が最大の動きだった。48県で発生した洪水はGDPを0.55ポイント押し下げると試算され、55県で4216件の事業者が被害を受けた。別の動きとして、タイ政府は第14次国家経済社会開発計画を発表し、GDP成長率3%超の維持と2029年までの世界競争力上位20位入りを目標に掲げた。

タイの記事をすべて見る(ほか21本)

フィリピン(25本)

GCash運営のMYNTが新規株式公開の最終価格を決定したことが最大の動きだった。調達額は最大609.2億ペソに達する見通しとなる。別の動きとして、フィリピンとEUが自由貿易協定交渉を妥結し、関税品目の94%を自由化する内容で合意したことも明らかになった。

フィリピンの記事をすべて見る(ほか15本)

マレーシア(26本)

製造業PMIが9月に49.9となり、4カ月ぶりに節目の50を下回ったことが最大の動きだった。格安航空会社AirAsiaも資金繰り悪化を認め10億ドルの調達を進めている。別の動きとして、S Pがマレーシアの信用格付け「A-」を据え置き、2026年の成長率を5.5%と予測した。

マレーシアの記事をすべて見る(ほか16本)

シンガポール(22本)

8月の非石油地場輸出(シンガポールの景気を映す主要な輸出統計)が前年同月比46.2%増となったことが最大の動きだった。シンガポール企業庁は2026年通年の成長予測を3〜5%から14〜16%に大きく引き上げた。別の動きとして、MASが資産運用業界向けに税優遇や新ビザ区分を含む振興策を発表したことも明らかになった。

シンガポールの記事をすべて見る(ほか12本)

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出典

本記事は東南アジア経済新聞が2026年9月28日〜10月4日に掲載した記事のまとめです。個別の出典は各記事に記載しています。

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