マレーシアVertex、銅複合材で年16万トン供給契約 米に新工場検討
マレーシアの先端素材企業Vertex Material Holdingsは、純銅使用量を抑える複合材料で流通業者と年間16万トンの供給契約を結び、米アリゾナ州での新工場建設を検討していると発表した。
Vertex Material Holdings Inc(マレーシアの先端素材企業)は、純銅の使用量を減らす独自の銅複合材料技術の商業化を進めていると発表した。同社は流通業者との間で、この複合材料を年間16万トン供給する契約を締結した。複合材料は銅含有率70%で、純銅100%が技術的に不要な用途、具体的にはヒートシンクや産業用電気接点、半導体の熱管理部品などへの使用を想定する。対象業界は半導体、電池、通信、建設の各産業。同社は米アリゾナ州での新工場建設地を検討しており、年間生産能力100万トンを目標に、2027年後半の設備整備完了、2028年の商業生産開始を計画している。
国際エネルギー機関(IEA)の「グローバル重要鉱物アウトルック2025」は、鉱石品位の低下や開発コストの上昇、新規鉱床の減少を理由に、2035年までに鉱山産出量が一次銅需要に対して25%不足すると予測した。Vertex MaterialのChris Lai Ther Wei最高経営責任者(CEO)は、全用途での銅代替ではなく、必要な電気・熱・機械特性を満たしつつ銅使用を効率化できる領域に狙いを定めると述べた。また商業化には製法だけでなく安定生産や原料調達、顧客への供給網が必要であり、今回の流通業者との供給契約はその基盤になると説明した。検討中の候補地周辺は、企業誘致組織グレーター・フェニックス経済評議会(GPEC)が22の加盟自治体と200の民間投資家ネットワークを擁する地域にある。
背景
世界の銅産業は長期的な供給制約に直面している。IEAの報告書は、鉱石品位の低下、開発コストの上昇、新規鉱床発見の減少を主要な課題として指摘した。Vertex Materialの複合材料技術は、こうした供給ギャップへの対応として開発が進められている。
日本企業への含意
半導体や電池、通信機器を手がける日本企業にとって、銅調達コストの上昇や供給制約は部材設計の見直しを迫る可能性がある。銅複合材料のような代替技術が実用化されれば、放熱部品や電気接点などの調達先・仕様選定の幅が広がる一方、品質・信頼性評価の基準整備が必要になる。米国生産拠点の動向は、現地調達網構築を検討する日本メーカーにとっても参考になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.93円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=123.09円 / 1USD=157.31円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

