マレーシアとシンガポールのRTSリンク、開業を2027年2月に延期
ジョホールバルとシンガポールを結ぶ鉄道「RTSリンク」の開業が、2026年12月から2027年2月中旬に延期されると発表された。
RTSリンクを運営するRTS Operations(RTSO、SMRTとPrasaranaの合弁会社)は2026年10月2日、マレーシア・ジョホールバルのBukit Chagar駅とシンガポールのWoodlands North駅を結ぶ全長4kmの「RTSリンク」の開業を、従来予定の2026年12月から2027年2月中旬に延期すると発表した。マレーシアのアンソニー・ロケ運輸相によると、工事自体は完了しているが、両国の安全専門家と規制当局による認証手続きが残っており、安全を期すため延期を決めたという。RTSOは2026年12月31日までに全てのシステム試験と試運転を完了させる見込みだが、最終的な開業時期は独立した安全認証と両国規制当局の最終承認が得られるかに左右される。
RTSリンクの輸送力は1方向あたり時速1万人、所要時間は5分を見込む。ロケ運輸相は、鉄道利用者の利便性向上策として、マレーシア側のKTM JB Sentral駅のホームからRTS駅まで直結する連絡橋の建設に最大6000万リンギ(約23億2054万円)(約23億2054万円、シンガポールドル換算で1900万シンガポールドル=約23億4481万円)の予算が承認されたと述べた。これにより、現在はJB Sentral駅を一度出てRTS駅に再入場する必要がある800mの徒歩区間が解消される。同相はまた、Bukit Chagar駅に隣接する通りを一般車両を締め出したバスハブに転用する計画を進めており、専用の連絡橋で同駅と結ぶ考えも示した。
背景
RTSリンク構想は2010年に初めて発表された。2017年には両国が2024年末までの開業を目指すと表明し、2018年に建設協定を締結した。しかし2019年にマイルストーンの未達を理由に両国が計画の一時停止に合意し、2020年に正式に再開、目標開業時期は2026年末に設定し直された経緯がある。2026年9月にはシンガポール側のWoodlands North駅の完成が発表され、同年8月にはロケ運輸相がマレーシア側の駅・鉄道インフラの完成を明らかにしていた。
日本企業への含意
ジョホールバルとシンガポールを跨いで人員配置や物流網を計画する日本企業は、開業時期が従来予定より2カ月遅れる前提でスケジュールを見直す必要がある。越境通勤を見込んだ人員計画や、周辺の商業・物流施設投資のタイミングも、最終的な安全認証の完了時期を見極めてから判断することが求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.92円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.68円 / 1SGD=123.41円 / 1USD=157.93円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

