シンガポールDFI、3.4億ドルでスタバ7市場1100店を完全掌握
DFI Retail Groupが香港Maxim’s Caterersとの50%合弁を解消し、アジア7市場のスターバックス事業を完全掌握すると発表した。
シンガポール証券取引所上場のDFI Retail Group(Jardine Matheson傘下で小売大手Guardian、Mannings、7-Eleven、IKEAなどを展開)は2026年9月29日、香港Maxim’s Caterers(1956年創業、9市場で飲食店・ベーカリー1000店超を展開)との合弁関係を解消すると発表した。DFIは保有するMaxim’s株50%を手放す代わりに、シンガポール、香港、マカオ、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオスの7市場で展開するスターバックスのライセンス事業(約1100店)の全株を取得し、単独運営に切り替える。取引完了は2027年第1四半期末を見込み、通常の完了条件を満たすことが前提となる。
DFIが受け取る対価は3億4000万米ドル(4億3500万シンガポールドル)。移行期間中はスターバックスとMaxim’s双方の日常業務に変更はなく、Maxim’sはレストラン・ベーカリー・ケータリング事業を引き続き運営する。DFIのスコット・プライスCEOは「ポートフォリオ型企業から、運営に特化した企業への転換」と述べた。Maxim’sとHongkong Caterersのマイケル・ウー会長兼マネジングディレクターは、従業員や事業、地域社会への投資を継続する考えを示した。
背景
Maxim’sは1956年に香港で創業し、1972年にHongkong CaterersとJardine Matheson傘下のDFIとの合弁事業となった。以後約40年間、DFIはMaxim’sの株式を50%保有してきたが、経営の主導権を持たないため持分法適用会社として扱われてきた。DFIは近年、運営の主導権を持てる事業に注力する方向でポートフォリオの再編を進めており、2025年にはシンガポールの食品小売事業(Cold Storage、CS Fresh、Giant、Jason’s Deli)をマレーシアのMacrovalueに1億2500万シンガポールドルで売却している。
日本企業への含意
外食・小売チェーンを東南アジアで展開する日本企業にとって、現地パートナーとの合弁から単独運営への切り替えは、ブランド統制を強める一方で買収資金負担が増す選択肢となる。DFIのように運営権を持たない合弁を整理し、主力事業に経営資源を集中する動きは、日本企業が現地合弁の見直しを検討する際の参考になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.93円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=123.09円 / 1USD=157.31円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

