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シンガポール、資産運用誘致へ新ビザ区分 ONE Pass保有者8500人に

シンガポール金融管理局(MAS)は2026年8月19日、資産運用業界の人材誘致策として就労ビザONE Passに新区分「投資運用トラック」を新設し、税優遇とヘッジファンド向け投資プログラムを導入すると発表した。

MAS(中央銀行と金融監督当局を兼ねる)とマンパワー省(MOM)は、既存の就労ビザ「ONE Pass」に資産運用業界向けの新区分「投資運用トラック」を設けると発表した。対象はファンドマネジャーや投資のシニア専門家。あわせて、ファンドマネジャーが得る利益連動型の一部リターンへの課税免除や、新設の「ヘッジファンド投資プログラム」も導入する。背景には、香港など他のアジア金融センターとの人材・資金獲得競争の激化がある。従来のONE Passは月額固定給3万シンガポールドル(約370万円)が資格要件だが、資産運用業界では報酬に業績連動部分が多く、固定給基準を満たしにくいことが課題だった。

ONE Pass保有者は2023年12月の3600人から2024年12月に6300人、2025年12月には8500人に増加し、うち70%が金融・保険、情報通信、専門サービス分野に従事する。資産運用業はシンガポールの金融セクター産出高の15%、雇用の13%を占め、過去5年間で年平均7.5%成長し、運用資産残高は7兆シンガポールドル(約863兆8776億円)、従業者数は2万5000人、うち80%がシンガポール人という。利益連動型リターンへの税優遇は2027課税年度からの適用を見込み、対象ファンドには最低限の現地雇用人数など経済実体要件が課される。MASのチー・ホンタット副議長は、香港との競争を「ゼロサムとは見ていない」とし、両都市が金融センターとして成長する余地は十分にあると述べた。

背景

シンガポールは香港をはじめとするアジアの他の金融センターとの間で、投資会社やファンドマネジャー、シニア投資人材の獲得競争に直面している。ONE Passは2023年1月に導入された5年間有効の個人向け就労ビザで、複数の雇用主のもとで働くことを可能にする制度。従来の月額固定給3万シンガポールドル(約370万円)という基準は、業績連動報酬が中心となる資産運用業界のシニア人材には不向きとされてきた。

日本企業への含意

日本の資産運用会社やアセットマネジャーがシンガポール拠点の人材戦略を見直す際、新区分を活用すれば固定給基準に縛られずシニア人材を駐在させやすくなる可能性がある。また利益連動報酬への税優遇やヘッジファンド向け投資プログラムが具体化すれば、日本の機関投資家や運用会社がシンガポール法人を通じた運用体制を検討する動機になり得る。ただし最低現地雇用人数などの要件次第で、進出コストの再評価が必要になる。

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本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.92円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.68円 / 1SGD=123.41円 / 1USD=157.93円)によります。

出典

本記事は上記1社の報道にもとづきます。

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