マレーシア製造業PMI、9月49.9に低下 4カ月ぶり節目割れ
S&P Globalの調査で、マレーシアの9月製造業PMIが49.9となり、4カ月ぶりに好不況の境目である50を下回った。
S&P Globalは10月1日、マレーシアの9月分製造業購買担当者景気指数(PMI)調査を発表した。PMIは49.9となり、8月の50.2から低下し、好不況の分かれ目となる50.0を4カ月ぶりに割り込んだ。これにより3カ月続いていた事業環境の拡大傾向が途切れた。調査対象は国内製造業約400社。新規受注は直前まで4カ月減少していなかったものの、生産量は2カ月連続で縮小し、縮小ペースは過去7カ月で最大となった。輸出受注は直近3カ月のうち2カ月で増加した。
雇用は2カ月連続で拡大したが、伸び率は4月の高水準を下回った。投入コストの上昇圧力は5カ月連続で鈍化し、出荷価格の上昇率は7カ月ぶりの低水準となった。仕入れ先の納期遅延は過去3カ月で最も顕著に長期化し、在庫の積み増しは2022年6月以来の高い伸びとなった。先行きへの景況感は、中東での紛争継続やエルニーニョ現象による不透明感を背景に5カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。S&P Global Market IntelligenceのMaryam Baluchエコノミストは、雇用の増加とインフレ圧力の緩和は明るい材料である一方、生産と新規受注の鈍化、企業景況感の悪化が事業環境の重しになっていると指摘。中東情勢やエルニーニョなど外部要因が年内の見通しを見極めにくくしているとしつつ、雇用の増加が続いていることは企業が逆風下でも生産能力拡大の意欲を維持していることを示すと述べた。
背景
マレーシア製造業は9月以前、3カ月連続で事業環境が拡大していた。新規受注は直前の4カ月にわたり減少していなかった。輸出受注や雇用も直近で増加基調にあったが、9月にかけて勢いが鈍化した。
日本企業への含意
日本企業にとって、マレーシアを生産・調達拠点とする場合、受注・生産の鈍化傾向が一時的か定着するかを注視する必要がある。輸出受注は底堅さも見せており、サプライチェーンの寸断懸念は限定的とみられるが、納期遅延や在庫積み増しの動きは部材調達計画の見直しを迫る可能性がある。中東情勢などの外部リスクを踏まえ、調達先の分散やコスト転嫁の判断が求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.93円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=123.09円 / 1USD=157.31円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

