マレーシア、ペトロナス配当金480億リンギットに上振れ予想
調査機関BIMB Securitiesは、原油高でマレーシア政府へのペトロナス配当金が2026年に480億リンギット(約1兆8564億円)に達する可能性があり、上流投資とガスインフラへの資本配分を圧迫しかねないと指摘した。
調査機関BI(インドネシアの中央銀行)MB Securitiesは、ペトロナス(マレーシアの国営石油・ガス会社)の政府向け配当金について、Brent原油が2026年平均95ドル(約2万円)/バレルで推移した場合、480億リンギット(約1兆8564億円)に達する可能性があると試算した。2025年の実績配当金320億リンギット(約1兆2376億円)から大幅増となる見通し。一方、政府の燃料補助金支出も2026年に500億リンギット(約1兆9338億円)に膨らむと予想されており、2025年の300億リンギット(約1兆1603億円)から増加する。BIMB Securitiesは、配当金増加が財政健全化を加速させる取り組みを制約しかねないと述べた。
BIMB Securitiesは2027年の配当金を320億リンギット(約1兆2376億円)、2028年を250億リンギット(約9668億9356万円)と予想し、原油価格はそれぞれ85ドル(約1万円)/バレル、75ドル(約1万円)/バレルを想定している。これに対しBudget 2026では、2026年の配当金を200億リンギット(約7735億1485万円)、石油関連総収入を430億リンギット(約1兆6631億円)(約1兆6631億円、連邦収入の12.5%)と見込んでいた。足元ではBrent原油が102ドル(約2万円)/バレルで取引され、2026年上半期平均も92.5ドル(約1万円)/バレルと当初想定を上回って推移している。
背景
2026年初めに米国とイランの戦争が発生し、原油価格は1バレル100ドル(約2万円)を上回る水準まで急騰した。Budget 2026では石油関連収入や配当金を保守的に見積もっていたが、原油高により実際の収入はこれを上回る可能性が出ている。同時に燃料補助金コストの上昇が政府財政を圧迫しており、配当金増加と補助金増加が同時進行する構図となっている。
日本企業への含意
エネルギー関連で現地法人を持つ日本企業にとって、ペトロナスの資本配分が上流開発やガスインフラ投資に偏らない場合、関連する調達・建設案件の進捗に影響が及ぶ可能性がある。また燃料補助金支出の増加はマレーシア政府の財政余力を左右するため、現地での事業コストや規制動向を注視する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.92円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.68円 / 1SGD=123.41円 / 1USD=157.93円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

