ベトナム、AppleがDPPA拡充要請 24案件1773MW売却希望
Appleは2026年10月27日、ベトナム政府に直接電力売買メカニズム(DPPA)の制度整備と、サプライチェーン企業のクリーンエネルギー転換支援を要請した。
Appleのアジア太平洋サプライチェーン運営担当副会長Iris Cui氏がベトナム政府に対し、直接電力売買メカニズム(DPPA)を完備させ、同社のサプライチェーンを構成する企業群がクリーンエネルギーへ転換できるよう支援することを提案した。対応したベトナムのファム・ザー・トゥック常任副首相は、協力の成果は工場数や生産規模だけでなく、ベトナム企業の能力や技術者の育成、国内で生み出される技術価値で測られるべきだと述べた。要請は2026年10月27日にベトナムで行われた。
2023年末のベトナム商業省調査では、約20社の大企業が計1000MW相当の直接電力購入を希望していた。供給側では、DPPAを通じて電力を売却したい再生可能エネルギープロジェクトが24件あり、総発電容量は1773MWに上る。さらに参加を検討中のプロジェクトも17件、総容量2836MWある。ファム・ザー・トゥック常任副首相は、協力の評価軸は工場の数や生産規模ではなく、ベトナム企業の能力や技術者の成熟度、国内で創出される技術価値にあると強調した。
背景
ベトナムでは直接電力売買に関する政令57/2025が2024年3月初旬に施行された。これに先立ち、外資系企業(FDI)は同メカニズムの早期試行をベトナム政府に繰り返し提案してきた経緯がある。2024年半ばには、電力購入側としてSamsung Thái Nguyên(SEVT)、電力販売側として太陽光発電施設のTTC Đức Huệ 2がそれぞれ初の実運用を開始している。
日本企業への含意
ベトナムに生産拠点やサプライチェーンを持つ日本企業にとって、DPPA制度の整備はクリーンエネルギー調達の選択肢拡大につながる可能性がある。Appleのサプライチェーンに連なる部品・組立企業は、再エネ由来電力の直接購入要請が強まる見込みで、現地法人の電力調達戦略や脱炭素対応を見直す必要が生じる可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.82円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.66円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=122.94円 / 1USD=157.43円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

