10月23日(金) 現地報道と公的統計から、日本のビジネスパーソンに有益な情報をピックアップしています
東南アジアのビジネスニュースを日本語で

シンガポール、製紙APPの緑認証を一時制限 供給元3社の森林火災受け

シンガポール環境協議会(SEC)は2026年10月19日、インドネシア産ヘイズを招いた製紙大手Asia Pulp & Paper(APP)の供給元3社の森林火災を理由に、同社のグリーンラベル認証に一時制限措置を発動したと発表した。

シンガポール環境協議会(SEC)は、製紙大手Asia Pulp & Paper(APP)が運営するSingapore Green Labelling Scheme(SGLS+)認証について、「一時制限通知」を発行した。対象はAPPに木材繊維を供給するインドネシア・南スマトラの3社、Bumi Mekar Hijau、Bumi Andalas Permai、Sebangun Bumi Andalas(SBA) Wood Industriesで、これらの企業が保有する伐採権エリアで発生した森林火災が地域のヘイズ(煙害)を引き起こしたことが理由。並行してシンガポール国家環境庁(NEA)は、ヘイズの原因企業としてインドネシアの計10社に法的通知を発行しており、10月16日に7社、10月19日に3社が対象となった。このうちAPPの供給元は4社含まれる。

APPは2019年5月、監視体制を強化したSGLS+の認証を取得していた。SGLS+は2017年に始まった制度で、泥炭地管理や火災予防投資、焼き畑ゼロの誓約、サプライチェーン監視を企業に求める。SECは、APPが追加報告で監視強化や消火対策の実効性を示せなければ認証を停止すると表明し、停止となればAPP製品からSGLS+ロゴの使用を取りやめる必要があるとした。グレース・フー持続可能性・環境相は10月16日の声明で、NEAが地域のホットスポットと煙の発生源を追跡し、関与企業の特定と調査を継続すると述べた。NEAの通知を受けた10社のうち、APPの供給元以外の6社についても調査対象となっている。

背景

APPは2015年のヘイズ危機でも関与が指摘され、当時NEAが同社のグリーンラベルを停止し、シンガポールのスーパーマーケットが店頭からAPP製品を撤去した経緯がある。今回制限対象となった3社のうち、Bumi Andalas Permai、Bumi Mekar Hijau、SBA Wood Industriesの3社は、2015年にも同様のNEA通知を受けており、当時の案件は現在も未解決のままとなっている。

日本企業への含意

日用品や紙製品にAPPのPaseoブランドなど関連製品を調達・販売する日本企業は、供給元認証の停止リスクを踏まえた仕入れ先の再点検が必要になる可能性がある。ESGやサプライチェーン管理の観点から、インドネシア産パルプ・紙原料を扱う取引先企業には、森林火災対策や監視体制の実効性について確認を求める対応が求められる。

PRVRIAcademy 東南アジアの現地スタッフに、日本トップ企業の研修を。英語・オンラインライブ、次回2027年1月12日開講

本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.68円 / 1000VND=6.10円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.43円 / 1USD=157.90円)によります。

出典

本記事は上記1社の報道にもとづきます。

メールで受け取る

1週間の東南アジアのビジネスニュースを、月曜の朝に1通にまとめて送ります。