ベトナム、国家送電会社をEVNから分離へ 発電量9.65%増
ベトナム工商省は国家送電公社を国営電力大手EVNから切り離し競争的電力市場づくりを進める方針を示した。
ベトナム工商省は2026年10月7日の記者会見で、国家送電公社(National Power Transmission Corporation)を国営電力公社EVN(Vietnam Electricity)から分離し、同省傘下の電力庁(Electricity Authority of Vietnam)管轄に移す方針を明らかにした。発電・送電・配電・小売の4機能を段階的に分離し、競争的な電力市場を整備する狙い。送電・配電は自然独占とみなす一方、発電・小売は競争を徐々に導入する方針。配電・小売の分離はEVN傘下の5電力公社内で段階的に実施する。電力法改正案は10月17日開会の国会に提出される予定。
電力庁のブイ・クオック・フン副局長は、送電網は重複整備が非効率で土地・インフラ制約もあるため自然独占とした一方、発電・小売は競争化できると説明。分離は企業の財務力を損なわないよう段階的に進めると述べた。また投資認可、用地確保、投資家選定、電力購入契約、電力価格設定などで事業に支障が出ていたと指摘した。工商省は2027〜2030年の電力供給確保策一式も提出済み。2026年の累計9カ月で発電・輸入電力量は前年同期比9.65%増の2665.8億kWhに達し、設備容量は3.5%増(政府目標6.6%)で推移している。
背景
ベトナムは既に国家電力系統・市場運営会社(National Power System and Market Operator Company)をEVNから分離し工商省に移管済みで、発電部門では競争市場を既に構築、卸売市場でも一定の進展がある。政府はEVN再編計画の一環として、5つの発電公社への出資比率を段階的に引き下げる株式化も進めている。
日本企業への含意
送電部門の分離が実現すれば、日本の発電・蓄電池関連企業にとってはベトナムの発電・小売分野での事業参入機会が広がる可能性がある。一方で電力法改正の審議状況や送配電分離の具体的スケジュールが未確定なため、投資計画は制度整備の進捗を見極めながら進める必要がある。電力価格設定や購入契約手続きの見直しも、現地での発電事業採算性に影響する可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.50円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.72円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.69円 / 1SGD=123.58円 / 1USD=158.28円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

