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シンガポール、上場企業役員の兼任を5社までに制限する改革案

シンガポール証券取引所の規制部門とコーポレートガバナンス諮問委員会は、上場会社役員の兼任を5社までに制限する企業統治規則の改正案を公表した。

シンガポール証券取引所の規制部門SGX RegCoと、シンガポール金融管理局(MAS)傘下のコーポレートガバナンス諮問委員会(CGAC)は10月27日、企業統治コードとSGX上場規則の改正案を公表した。柱は、個人が保有できるシンガポール上場会社の取締役職を5社までに制限すること、指名・報酬・監査といった主要委員会を独立取締役が主導し過半数を独立取締役で構成すること、会長が独立取締役でない場合は筆頭独立取締役(リード・インディペンデント・ディレクター)の選任を求めること、資本政策や価値創出に関する開示を強化することの4点。意見公募の締め切りは1月27日。

シンガポール取締役協会の「シンガポール・ディレクターシップ・レポート2025」によると、独立取締役のうち上場会社の取締役を2社超兼任する割合は4.9%にとどまる一方、2024年時点で5社超の上場会社役員を兼任する取締役は25人おり、対象企業604社のうち49社(全体の8%)が該当した。また2025年時点で非独立の会長を置きながら筆頭独立取締役を選任していない上場企業は615社中70社、比率にして11.4%に上る。SGX RegCoのタン・ブーンジン最高経営責任者は、株主構成が集中しがちな同国市場では取締役会の独立性が機関投資家の求める水準を満たす鍵になると述べ、追加開示や体制整備の費用は「コストではなく投資」だと説明した。CGACのボブ・タン議長は、取締役会の質こそが長期的な企業価値創出の出発点だと述べた。

背景

シンガポール市場は株式保有が特定の株主に集中する構造が目立ち、機関投資家からは質の高い真に独立した取締役会を求める声が強まっていた。今回の改正案は、上場企業の企業価値向上を促すMASなどの「バリュー・アンロック」施策の一環として位置付けられ、取締役会の実効性を高めることで投資家の信頼維持を狙う。

日本企業への含意

シンガポールに現地法人や上場子会社を持つ日本企業、あるいは同国企業との合弁・出資関係にある企業は、取締役会構成や独立取締役の選任状況を点検する必要が出てくる。特に主要委員会の独立取締役比率や筆頭独立取締役の有無は、改正案の施行後に是正を迫られる可能性がある。日本本社から複数の上場企業役員を派遣している場合、兼任数5社の上限が実務上の制約になることも考えられる。

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本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.82円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.66円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=122.94円 / 1USD=157.43円)によります。

出典

本記事は上記1社の報道にもとづきます。

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