Grab、2026年売上予想を42億ドルに上方修正 東南アジア
シンガポール拠点のGrabは2026年11月3日、2026年通期の売上・EBITDA予想を引き上げたと発表した。
Grabは2026年通期の売上予想を米ドル41億5000万~42億ドル(約6573億7367万円~約6652億9384万円)、EBITDA予想を米ドル7億9000万~8億ドル(約1251億3860万円~約1267億2264万円)に修正した。8月時点の予想は売上41億5000万ドル以下、EBITDA7億4000万ドル以下(約1172億1844万円)だった。Q3実績は売上11億ドル(約1742億4362万円、前年同期比27%増)、調整EBITDA2億3700万ドル(約375億4158万円、同74%増)で、アナリスト平均予想1億9420万ドル(約307億6192万円)を上回った。月次取引ユーザーは四半期中に300万人増え、過去最高の5700万人に達した。金融サービス部門はQ3で初めてコア利益を計上した。
M&Aでは9月にシンガポール拠点のAtome Financial(後払い決済・デジタル貸付サービス)の過半数株式取得を14億9000万ドル(約2360億2091万円)で合意、米国拠点のStash Financialを企業価値4億2500万ドル(約673億2140万円)で買収した。一方、10月には6億ドル(約950億4198万円)規模のフードパンダ台湾地域配送事業の買収が台湾公平交易委員会により独占禁止法上の懸念から遮断された。Bloomberg Intelligenceのアナリスト、Jason LowとNathan Naiduは、同事業が見込んでいた貢献額6000万ドル(約95億420万円)は2028年調整EBITDA目標17億ドル(約2692億8560万円)に対し小さく、台湾案件の失敗にもかかわらずGrabは同目標を維持できる立場にあると指摘した。発表を受け株価は時間外取引で2%上昇したが、年初来では40%超下落し、時価総額は110億ドル(約1兆7424億円)となっている。
背景
Grabは東南アジアの配車・フードデリバリー需要拡大を背景に8月の予想を上方修正した。一方でインドネシアではスクーター配車の最大手数料引き下げに加え、2026年末までにフードデリバリー等での追加規制が検討されており、GoTo(インドネシアの競合配車・EC企業)やGreen & Smart Mobilityとの競争も激しい。こうした逆風の中、株価は年初来40%超下落している。
日本企業への含意
日本企業にとっては、Grabが後払い決済・デジタル貸付企業の買収で金融サービス部門を黒字化させた動きが、東南アジア市場でのフィンテック提携や投資先選定の参考になる可能性がある。またインドネシアでの手数料規制強化や台湾での独禁法による買収遮断は、同地域への事業展開やM&Aを検討する日本企業にとって規制リスクを見極める必要性を示している。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.28円 / 1000VND=6.14円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.84円 / 1SGD=123.62円 / 1USD=158.40円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

