インドネシア、バタムにアンモニア拠点検討 生産能力710万トン
国営肥料会社プップク・インドネシアが、バタム島でのアンモニア生産拠点「Ammonia Hub」建設を検討していると2026年11月4日に明らかにした。
国営肥料会社プップク・インドネシア(PT Pupuk Indonesia (Persero))は、インドネシア・シンガポール国境に近いバタム島で、アンモニア生産拠点「Ammonia Hub」の建設を検討していると2026年11月4日に明らかにした。天然ガスの付加価値向上を狙い、石油化学産業の開発と下流産業化を計画する。原料はナツナとグリシックのガス田からの供給を活用し、同社が持つ既存のアンモニア生産能力を土台に、国内外市場向けの生産・保管・流通・取引を支える拠点とする構想。開発主体となるバタム島開発投資庁(BP Batam)は許認可手続きの簡素化を約束している。
数字の内訳として、インドネシアとシンガポール間の既存ガス販売契約は2028年に終了予定で、これが構想の時間的な背景となっている。プップク・インドネシアの既存アンモニア生産能力は年間710万トン。シンガポールは50年以上かけて石油精製・海事サービス産業を育て、世界最大のバンカリングセンターとなった。ラーマド・プリバディ会長兼CEOは、同社が天然ガスを原料に大規模なアンモニア生産を担ってきたと説明したうえで、「これは資源ナショナリズムではなく資源の産業化であり、付加価値を国内に残すことが目的で誰とでも協業する用意がある」と述べた。BP Batamのファリー・ジェミー・フランシス投資部門副本部長は、投資準備が整えば同社と共同チームを組む方針を示した。
背景
シンガポールは50年以上にわたり石油精製・海事サービス産業を発展させ、世界最大のバンカリング(国際航路船舶への燃料補給)センターとなった。海運業界が国際海事機関(IMO)のネットゼロ枠組みのもとでアンモニアなど低炭素燃料への転換を進める中、インドネシアはアンモニア関連産業の開発機会を検討している。プラボウォ・スビアント大統領は天然資源の最適活用を掲げる方針を打ち出している。
日本企業への含意
日本の海運会社や商社にとって、低炭素燃料としてのアンモニア需要拡大は商機となる。プップク・インドネシアが協業相手を限定しない方針を示したことから、アンモニア生産設備やバンカリング関連インフラへの日本企業の参画余地がある。2028年のガス供給契約終了を控え、現地での原料調達や生産体制の変化を注視する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.28円 / 1000VND=6.14円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.84円 / 1SGD=123.62円 / 1USD=158.40円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

