タイ、再エネ比率20%→50%に10年計画 太陽光1万MW調達
タイのエネルギー省(フィリピンのエネルギー政策を所管)が電力インフラ改革案を発表し、データセンターを新料金区分とし自己負担でLNGを輸入させるほか、再生可能エネルギー比率を10年で50%に引き上げる方針を示した。
タイのエネルギー省は「THE STANDARD ECONOMIC FORUM 2026」で、電力インフラ改革のロードマップを発表した。データセンターを新たな電力利用者区分(第9区分)として独立させ、LNG輸入コストを自ら負担させる。従来はデータセンター専用のサンドボックス制度でDirect PPA(需要家と発電事業者が直接電力売買契約を結ぶ仕組み)の上限が2,000MWだったが、国家エネルギー政策委員会(NEPC)が7月に全産業への適用拡大を承認した。エネルギー省はデータセンター向けの新たな投資審査委員会も設置し、選定基準の策定は約9割まで進んでいる。再生可能エネルギーの比率は現在の20%から10年以内に50%、その後は65%超に引き上げる目標を掲げた。屋上太陽光発電の調達枠は1万MWに拡大し、20年間の売電契約を結ぶ。国営発電公社EGAT(タイ発電公社)は送電網管理を軸とする役割に再編される。
EGATが検討中のWheeling Charge(送電利用料)の暫定料率は1単位あたり1.4バーツ(約7円)。屋上太陽光の買取価格は1単位あたり2.2バーツ(約10円)で20年間固定される。エカナット・プロムパン エネルギー相は、データセンターの拡大は大量かつ継続的な電力需要を生み、スポット市場での高値LNG輸入を迫られガス調達コスト全体に影響すると述べた。また、新たな料率は近隣国と競争可能な水準であり、将来的に化石燃料依存企業が炭素回収コストを負担する可能性を踏まえ、企業の再エネ転換を促す狙いがあると説明した。タイは過去2~3年、データセンター誘致において「受け身」の姿勢だったという。
背景
タイは過去2~3年、データセンター誘致において海外からの投資を待つ受け身の姿勢にあった。従来のDirect PPA制度はデータセンター専用のサンドボックスとして2,000MWを上限に運用されてきたが、需要拡大を受け、国家エネルギー政策委員会が7月に全産業への適用拡大を承認した経緯がある。
日本企業への含意
タイでデータセンターを新設・運営する日本企業は、電力コストがLNGスポット価格の変動に直結する新区分に組み込まれる可能性があり、電力調達コストの見通しが立てにくくなる。一方、Direct PPAが全産業に広がれば、製造業やIT企業が再エネ電力を直接調達しやすくなり、サプライチェーンの脱炭素対応に活用できる。屋上太陽光の買取制度拡大も、工場など自家消費型再エネ導入の選択肢を広げる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.28円 / 1000VND=6.14円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.84円 / 1SGD=123.62円 / 1USD=158.40円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

