フィリピン国税庁、QR登録バッジに氏名公開で懸念 10月31日期限延長
フィリピン国税庁(BIR)はオンライン事業者に登録証明書の代わりQRコード付き登録バッジの掲示を義務付けたが、個人事業主の氏名が公開され批判が出ている。
フィリピン国税庁(BIR)は2026年4月29日付のRMC38-2026により、RR7-2024・RR15-2024の対象であるオンライン販売業者、フリーランサー、サービス提供者、コンテンツクリエイターに対し、登録証明書(COR)全体の掲示に代えて、登録事実のみを示すQRコード付き「登録シールバッジ」の掲示を義務付けた。バッジはBI(インドネシアの中央銀行)Rの認証ポータルverify.bir.gov.phにリンクする。掲示の期限は2026年10月31日とされたが、RMC99-2026により罰則なしで延長された。しかし個人事業主の場合、バッジには屋号ではなく事業主本人の本名がフルネームで公開される仕組みとなっており、ストーカー行為や嫌がらせ、なりすましの危険を懸念する声が上がっている。
2021年からBIRに登録しているクリエイターのアントネット・アキノ氏は10月21日付の公開書簡で「数千人の個人フリーランサーや在宅クリエイターにとって、この屋号は本人の本名そのものだ。公開されれば女性や在宅労働者がストーカーや嫌がらせ、なりすましの危険にさらされる」と訴えた。これに対しBIRのチャーリト・マーティン・メンドーサ長官は10月22日の返信で「納税者は登録を証明するために書類全体を公開する必要はないはずだ」と述べ、国家プライバシー委員会(NPC)と調整し、認証システムで公開される情報の見直しを検討していると説明した。サイバー犯罪捜査調整センター(CICC)のロバート・パギア氏は、偽サイトのリスクを念頭に「QRコードの読み取りには十分注意する必要がある」と警告した。なお登録証明書の更新には印紙税30ペソ(約74円)がかかる。
背景
BIRは従来、オンライン販売業者やサービス提供者に対し、納税者番号(TIN)や登録住所を含む登録証明書(COR)全体の掲示を求めていたが、これがプライバシー上の懸念を招いていた。これを受けBIRはRMC38-2026により、登録の事実のみを示すQRコード付きバッジへと掲示方式を切り替えた。しかし個人事業主については屋号欄に本名が表示される仕組みが残ったため、新たな懸念が生じている。
日本企業への含意
フィリピンでフリーランサーやオンライン販売事業者と取引する日本企業は、取引先の登録確認にQRバッジを用いる際、個人事業主の本名が公開されている点を踏まえ、偽サイトや個人情報悪用のリスクを考慮した確認手順を整える必要がある。また現地に委託する在宅ワーカーやクリエイターの安全配慮として、公開情報の取り扱いに関する現地規制の動向を注視することが求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.81円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.41円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.84円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

