フィリピン格付けA-据え置き、インフラ投資GDP比4%予測
日本の格付け機関JCRは2026年8月28日、フィリピンの投資適格格付け「A-」を見通し安定的で据え置き、インフラ投資が2027年までGDP比約4%で推移すると予測した。
Japan Credit Rating Agency(JCR、日本の債務格付け機関)は2026年8月28日付でフィリピンの発行体格付け「A-」を据え置き、見通しを安定的と維持した。同時に公表したレポートでは、インフラ投資がGDP比で2026年に4.2%、2027年に4%で推移すると予測。2025年実績は4.7%(投資額1.32兆ペソ、約3兆2551億円)で、2023〜24年の5.8%からは低下傾向にある。経済成長率は2025年実績が4.4%、2026年上半期は2.6%にとどまり、通年見通しは3%程度とした。
フィリピン中央銀行(BSP)が管理する外貨準備は9月末時点で995億米ドル(約15兆6054億円)に達し、輸入・対外支払いの6.2カ月分、1年以内に期限到来する短期対外債務の3.1倍に相当する水準を確保している。米国向け輸出の60%は追加関税の適用除外対象となっており、フィリピンは発効中・交渉中を合わせて23件の自由貿易協定を持つ。BSPのエリ・レモロナ総裁は、JCRが対外的な緩衝力を評価したことについて「中東情勢など世界的な逆風に耐えるフィリピン経済への自信を反映している」と述べ、「外貨準備を慎重に管理し、経済の安定を守り続ける」とした。
背景
フィリピンでは洪水制御関連の公共事業で不正が発覚し、所管するエネルギー省(フィリピンのエネルギー政策を所管)ではなく公共事業・道路省(DPWH)のプロジェクトに対する精査が強化された。これを受け政府は事業計画、予算配分、調達手続き、建設検証、支払いの各段階で管理を強化した。JCRは、公共事業の進捗鈍化と原油高による消費減退が足元の景気減速要因だとしつつ、第2四半期には公的インフラ支出が回復すると予想している。
日本企業への含意
建設・インフラ関連の日本企業にとって、フィリピンのインフラ投資比率が一時的にGDP比4%前後へ鈍化する局面は、2026〜27年の受注計画を保守的に見積もる材料になる。一方で投資適格格付けの維持と潤沢な外貨準備は、現地での資金調達や為替リスク管理の面で一定の安心材料となる。公共事業の調達審査強化により、入札・検証プロセスの長期化に備える必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.81円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.41円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.84円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

