フィリピン運輸相にディゾン氏復帰、船舶火災3件で死者100人
フィリピンでヴィンス・ディゾン氏が運輸通信省(DOTr)長官に復帰し、2023年開始の海事産業開発計画(MIDP)の実施の遅れと、死者約100人を出した国内船舶火災3件への対応が問われている。
フィリピンのDOTr(運輸通信省)で、ヴィンス・ディゾン氏が長官に復帰した。リノ・カイエタノ長官は、同国のフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が掲げる「国民が楽に通勤できる環境づくり」という公約を実現できる改革派として、ディゾン氏を起用したと説明した。一方、公共事業道路省(DPWH)では、道路・鉄道事業の用地取得問題を解決してきたジョバンニ・ロペス氏が新長官に就く見通し。あわせて、海運業の近代化を掲げるMIDP(海事産業開発計画)の進捗や、相次ぐ国内船舶の火災事故への対応状況が論点として取り上げられている。
近年、国内船舶の火災事故が3件発生し、合わせて約100人が死亡したとされる。また、生物多様性で知られる海峡ベルデ・パッセージ付近ではタンカーによる油濁事故も起きている。マルコス・ジュニア大統領の任期は残り20カ月とされ、同氏は関係者に対し「恥を知れ(mahiya naman kayo)」と発言したとされる。フェルディナンド・マルコス・シニア元大統領は、フィリピン船籍船の競争力強化を掲げた大統領令第474号を発出していた。
背景
MIDP(海事産業開発計画)は2003年から2008年にかけて策定され、国内・国際双方のフィリピン商船隊の拡充・近代化と、海上安全・環境基準の強化を目指す計画として、マルコス・ジュニア大統領の下で2023年に開始された。これは父であるマルコス・シニア元大統領が大統領令第474号で示した、競争力あるフィリピン船籍船の構想を引き継ぐ形となっている。
日本企業への含意
日本の海運・造船・物流関連企業にとって、フィリピンの海事安全規制や船舶近代化計画の進捗は、現地の船舶調達やフィリピン人船員の確保・訓練体制に影響しうる。MIDPの実施が遅れれば、国内海上輸送の安全性や環境基準の運用が不透明なまま推移する可能性があり、現地での合弁・技術協力を検討する企業は、規制動向を継続的に注視する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.28円 / 1000VND=6.14円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.84円 / 1SGD=123.62円 / 1USD=158.40円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

