フィリピン製造業PMI10月49.1、2カ月連続で節目割れ
フィリピンの2026年10月製造業PMIが49.1となり、拡大・縮小の節目である50.0を2カ月連続で下回り、生産と新規受注の縮小が続いた。
S&P Global Philippines Manufacturing Purchasing Managers’ Index(PMI、S&Pグローバルがまとめるフィリピン製造業の景況感指数)は2026年10月に49.1となり、9月の49.6から低下した。50.0を上回れば拡大、下回れば縮小を示す指数で、2026年は4月の48.3を含め、これまでに2回50.0を割り込んだ。S&Pは「生産と新規受注の両方で継続的な縮小が記録された」と説明し、輸出向けの新規受注も縮小が続いたとした。弱い需要に加え、一部企業はエルニーニョ現象に関連するとみられる高温も生産の重荷になったと指摘した。
工場の雇用は2カ月連続で減少した。S&Pは「仕入れ活動の一段の落ち込みと雇用の一段の減少は、製造業者が需要低迷のなか慎重な姿勢を維持していることを示す」とした。一方でS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのシアン・ジョーンズ首席エコノミストは、企業景況感がほぼ2年ぶりの高水準に回復したことについて「新規案件や新規顧客が今後1年の生産拡大を支えると企業が見込んでいる表れで、明るい材料だ」と述べた。フィリピン中央銀行は政策金利を50ベーシスポイント引き上げた。リサール商業銀行のマイケル・リカフォート首席エコノミストは、2027年初めにかけて見込まれる強いエルニーニョによる干ばつが農業生産の減少や食料・農産物価格の上昇を通じて地場製造業の重荷になり得ると述べた。
背景
フィリピンの製造業活動は2026年4月にPMIが48.3となって以降、縮小基調が続いてきた。9月は49.6まで持ち直したものの再び節目を割り込んだ。国内外双方で需要の弱さが続いており、企業景況感は9月にいったん低下したのち10月に反転上昇した。こうした中でフィリピン中央銀行は利上げを実施している。
日本企業への含意
フィリピンで生産・調達拠点を持つ日本企業は、新規受注の縮小と輸出需要の弱さが続く局面で、現地工場の稼働率や雇用計画の見直しを迫られる可能性がある。エルニーニョによる干ばつが2027年初めまで続くとみられることから、農産品価格上昇を通じたコスト増や、政策金利引き上げに伴う資金調達コストの上昇にも注意が必要になる。一方で企業景況感の改善は需要回復の兆しとも読め、取引先の受注動向を注視する価値がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.28円 / 1000VND=6.14円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.84円 / 1SGD=123.62円 / 1USD=158.40円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

