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シンガポール、地熱潜在力60倍の調査開始 蓄電池を3倍超に

シンガポールのタン・シーレン・エネルギー貿易産業相は10月26日、地熱発電の事業化調査や蓄電池容量の大幅増強など、2050年の脱炭素化に向けた複数のエネルギー施策を発表した。

シンガポール政府は10月26日、シンガポール国際エネルギーウィーク(SIEW)で、次世代地熱発電所の建設可能性を調べる専門家チームを新設すると発表した。昨年実施した地球物理調査で、国内地下の地熱資源には年間電力消費量(60テラワット時)の60倍にあたる技術的潜在力があることが判明した。太陽光発電の容量目標は2030年に3ギガワットピーク、2035年に4ギガワットピークとする。蓄電池容量は現状の350メガワット時から2030年までに1ギガワット時超へと3倍以上に拡大する。原子力分野では2027年から「シンガポール原子力人材開発プログラム」を段階的に始動し、国際原子力機関(IAEA)による統合原子力インフラ評価ミッションを来年受け入れる。

資金面では、クリーン発電向けの「電力脱炭素化資金イニシアチブ」に75シンガポールドル(約9,221円)、総合脱炭素化事業「トータル・ディカーボナイゼーション・グランドチャレンジ」に800シンガポールドル(約10万円)を投じる。8月には、半島マレーシアのジョホールから計900メガワットの低炭素電力を輸入する2件の条件付き承認を付与済みで、Sembcorp Utilities(シンガポール系ユーティリティ企業)には最大1.3ギガワットの再生可能電力輸入が条件付きで認められた。マレーシアとの新規連系線は2030年までに既存の1ギガワットに加え最大2ギガワットを増強する計画。タン・シーレン・エネルギー貿易産業相は「原子力導入はまだ旅路の始まりに過ぎず、導入判断まで何年もかかる可能性がある」と述べ、「脱炭素化にはコストが伴うが、すべての犠牲を払ってでも進めるわけではない」と強調した。

背景

シンガポールは2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロ目標とパリ協定への対応を掲げている。太陽光は国内で最も実用的な再生可能エネルギー源だが、2050年の想定電力需要の10%までしか賄えないとされ、地熱と原子力が低炭素のベースロード電源として検討されている。貿易産業省(フィリピンの通商・産業政策を所管)は今月、1979年以来となる「エネルギー貿易産業省」への改称が行われた。

日本企業への含意

地熱・原子力分野での専門人材育成は、日本の重電・エンジニアリング企業にとって技術協力や人材交流の商機となり得る。蓄電池容量の3倍超増強と太陽光拡大計画は、蓄電システムやパネルを手がける日本メーカーの供給機会拡大につながる可能性がある。またマレーシアとの電力連系線増強は、東南アジアの需給動向を注視する材料となる。

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本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.82円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.66円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.51円 / 1SGD=122.94円 / 1USD=157.43円)によります。

出典

本記事は上記1社の報道にもとづきます。

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