比2027年予算、不透明な予算1兆ペソ超と市民団体指摘
フィリピンの市民団体連合が、下院が2027年度予算案に1兆ペソ(約2兆4649億円)超の裁量的予算を計上したと上院に報告した。
People’s Budget Coalition(PBC、政府監視を行う市民団体)は2026年10月26日、上院財政委員会での公聴会で、下院が2027年度予算案に合計1兆ペソ(約2兆4649億円)超の裁量的な支出を盛り込んだとする分析結果を提示した。内訳は、地元優遇色の強い支援事業(ソフトポーク)が2100億ペソ(約5176億2896万円)、政治色の強いインフラ事業(ハードポーク)が6950億ペソ(約1兆7131億円)、未計画の予備費(シャドーポーク)が1220億ペソ(約3007億1778万円)。下院は財政支援プログラムに1370億ペソ(約3376億9128万円)を計上していたという。
PBCによれば、下院が挿入した7000件のインフラ事業は、総額1900億ペソ(約4683億3097万円)に上るが、裏付け資料が公表されていない。公共事業・道路省(DPWH)関連では6200件、総額1720億ペソ(約4239億6277万円)の事業(大半は多目的施設)が計上された。保健省向けには新規保健施設180カ所(20億ペソ、約49億2980万円)、国家灌漑庁向けには灌漑事業200件(70億ペソ、約172億5430万円)、農業省向けには農道350件(60億ペソ、約147億8940万円)が追加されていた。PBC共同代表のケネス・アイザイア・アバンテ氏は「これら全てが汚職だと言っているわけではない。インフラは必要だが、きちんと実施されてほしい」と述べた。上院財政委員会のジョセフ・ビクター・エヘルシト委員長は、今回の一日限りの公聴会は市民社会団体の参加を国家予算編成に直接取り込む狙いだったと説明した。
背景
PBCは、裏付けのないインフラ事業計上が問題となった2025年の洪水対策予算を巡る不正疑惑を引き合いに出した。上院財政委員会は今回、PBCを含む市民社会団体や政府監視団体27団体を招いて一日限りの公聴会を開いた。エヘルシト委員長は、市民社会団体の予算編成・審議への参加を制度化する法案を2件提出している。
日本企業への含意
フィリピンでインフラ事業や公共調達に関わる日本企業にとって、予算執行の透明性や事業採択プロセスが国会審議で問われている状況は、案件組成や入札参加の判断材料になる。裏付け資料の無い事業が多数指摘されたことから、今後、事業の正当性や進捗の情報開示が強化される可能性があり、現地パートナー選定や契約条件の精査がより重要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.83円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.39円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.86円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

