インドネシア、汚職防止法改正検討 国連条約調整20年越しで着手
インドネシア政府は国連反腐敗条約(UNCAC)とインドネシア法を整合させるため、コルプション防止法(UU Tipikor)の改正検討を決定した。
インドネシア政府は2026年10月26日、ジャカルタの大統領宮殿でコルプション防止法(UU Tipikor)の改正検討を決定したと発表した。法務人権移民刑務相を兼任するユスリル・イハザ・マヘンドラ調整相が明らかにした。目的は、インドネシアが批准済みの国連反腐敗条約(UNCAC)の内容と国内法を整合させることにある。検討には国家経済評議会(DEN)、汚職撲滅委員会(KPK)、法務人権省、外務省が関与する。改正の具体的な条文案や検討期限は明らかになっていない。
KPK・法務人権省・外務省は2006年、UNCACとの調整を初めて検討したが、その後20年にわたり改正作業は進まなかった。今回は国家経済評議会(DEN)が汚職の定義見直しの可能性を指摘したことを契機に、改正検討が再開された。改正案はまず政府内で検討されたのち、国家立法プログラム(Prolegnas)に組み込まれる予定。プラボウォ・スビアント大統領はDENの提案を即座に承認せず、より深い検討を求め、国家損害という要素を無視できないとの立場を示している。ユスリル調整相は「条約が直接効力を持つわけではないが、その内容は国内法に合わせて調整しなければならない」と述べた。
背景
インドネシアは国連反腐敗条約(UNCAC)を批准しているが、国内の汚職防止法との整合作業は長年手つかずだった。KPK、法務人権省、外務省は2006年にこの調整の必要性を検討したものの、以降20年間具体的な改正は進まなかった。近年、国家経済評議会(DEN)が汚職の定義変更の可能性を指摘したことで、政府内で改めて問題意識が共有され、改正検討の再開につながった。
日本企業への含意
日本企業にとって、汚職の定義や国家損害要件の見直しは、現地でのコンプライアンス基準や贈収賄リスクの判断基準が変わる可能性を意味する。改正が国家立法プログラムに組み込まれ具体化する段階で、取引先選定や社内規程の見直しが必要になる可能性がある。改正内容が固まるまでは、現行法に基づく運用を維持しつつ、法務人権省やKPKの動向を注視する体制が求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.83円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.39円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.86円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

