インドネシア、MSCI格下げ観測で財政赤字734.3兆ルピアに拡大の恐れ
インドネシア財務省は2026年10月21日、MSCIによる株式市場格付け引き下げ観測がルピア相場と財政赤字に及ぼす影響に懸念を示した。
インドネシア財務省(Kemenkeu)は2026年10月21日、ジャカルタで開かれたKatadata Policy Dialogueで、MSCI(米国の指数算出会社)がインドネシア株式市場の格付けを新興国市場(Emerging Market)から単独市場(Standalone Market)に引き下げる案を示していることについて懸念を表明した。財務省予算戦略局のワヒュ・ウトモ局長は、格下げが実現すればルピア相場の下落と国債利回りの上昇を通じて財政赤字が拡大する恐れがあると述べた。政府はすでに2026年度補正予算(Lapsem I/2026)に基づき、財政赤字の見通しを当初目標より拡大させている。
試算では、ドルに対しルピアが100ルピア(約1円)下落するごとに歳出負担が6.1兆ルピア(約534億8703万円)増え、赤字は8000億ルピア(約70億1469万円)拡大する。国債利回りが0.1%上昇すれば歳出・赤字ともに1.9兆ルピア(約166億5990万円)増加するという。財政赤字は2026年度予算目標の689.1兆ルピア(約6兆423億円)(約6兆423億円、GDP比2.68%)から、補正見通しでは734.3兆ルピア(約6兆4386億円)(約6兆4386億円、GDP比2.85%)へ拡大する見込み。2026年9月までの実績は319兆ルピア(約2兆7971億円)(約2兆7971億円、GDP比1.24%)、2027年度目標は671.2兆ルピア(約5兆8853億円)(約5兆8853億円、GDP比2.4%)。ウトモ局長は、経済規模4000億ドル(約63兆1612億円)のアルゼンチンで格下げが起きた事例とは異なり、1兆5000億ドル(約236兆8546億円)規模のインドネシア経済で同様の事態が起きる確率はそれほど大きくないとしつつ、資本市場拡大が目標であり格下げが起きれば影響は甚大だと述べた。
背景
MSCIはインドネシア株式市場の格付けを新興国市場から単独市場へ引き下げる案を提示しており、これが財務省の懸念の発端となった。政府はすでに2026年度補正予算(Lapsem I/2026)に基づき、当初の財政赤字目標より拡大した見通しを示している。
日本企業への含意
MSCIの格下げが実現すれば、インドネシア株式市場からの資金流出やルピア安が進み、現地に投資・進出する日本企業は調達コストの上昇や為替変動リスクの拡大に直面する可能性がある。資本市場の先行き不透明感が強まれば、現地法人の資金調達計画や為替ヘッジ戦略の見直しが必要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.68円 / 1000VND=6.10円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.43円 / 1USD=157.90円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

