タイCIMB、資産3000万バーツ向け富裕層サービス開始
CIMBタイ銀行は2026年10月29日、資産3000万バーツ(約1億4038万円)以上の個人向け新サービス「CIMB Private Wealth」をバンコクで発表した。
CIMBグループ傘下のCIMBタイ銀行は2026年10月29日、富裕層向け新サービス「CIMB Private Wealth」をタイで開始したと発表した。ASEAN域内の金融ソリューションと個別アドバイザリーを組み合わせたサービスで、対象は資産3000万バーツ(約1億4038万円)以上の個人。タイはインドネシア、マレーシアに続く3カ国目の展開先で、シンガポールでも来年初めに開始予定という。CIMBタイのPrivate Wealth顧客は既に2000人おり、タイ国内の対象層(資産3000万バーツ以上の数万人から10万人近いとされる層)の5~10%を占める。CIMBグループはASEAN全域に1600人のリレーションシップマネージャーと600の支店網を抱える。
CIMBグループは、ASEAN域内の富裕層人口が年5~6%増加し、2030年までに中間層が人口の65~70%を占めると予測する。CIMBタイの顧客基盤の90%は日常的にデジタルを利用しているという。資産配分の例として、総資産2億バーツ(約9億3587万円)のうち1億7000万バーツ(約7億9549万円)を他行に分散させ、CIMBには3000万バーツ(約1億4038万円)のみを置く顧客像が示された。CIMBグループのハニズ・ナズラン消費者銀行部門CEOは、ASEAN全域で資産の形成・継承のあり方が世代を超えて変わりつつあると述べ、ベビーブーマーからミレニアル世代まで4世代が同時に投資を行っている現状を指摘し、商品販売型から助言主導型への転換を強調した。CIMBタイのプディナン・セータナン富裕層・資産管理部門責任者は、資産が増え運用ニーズが複雑化しても既存の優遇顧客向けと同じ特典しか得られない『空白の顧客層』が存在していたと説明した。
背景
ASEANでは富裕層人口の拡大と中間層の増加、世代間の資産継承、国境を越えた投資需要の高まりを背景に、金融機関は商品販売型からアドバイザリー型への転換を進めている。CIMBグループは同様のプライベートウェルス事業をまずインドネシアとマレーシアで開始しており、タイはそれに続く展開となる。
日本企業への含意
ASEANの富裕層・中間層の拡大と国境を越えた資産運用ニーズの高まりは、タイ系・ASEAN系銀行との競合激化を意味し、日本の銀行・証券会社にとってもASEAN富裕層向けクロスボーダー資産運用サービスや、海外留学する子弟を持つ家族向けサービスの開発余地が広がる可能性がある。商品販売型からアドバイザリー主導型への転換は、日系金融機関のサービス設計にも参考になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.05円 / 1000VND=6.13円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.49円 / 1MYR=38.79円 / 1SGD=123.46円 / 1USD=157.90円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

