シンガポール、データセンター法可決 3MW以上に免許義務付け
シンガポール議会は2026年10月7日、データセンター整備法を可決し、重要IT負荷3メガワット以上の施設に免許取得と効率基準の順守を義務付けた。
シンガポール議会は2026年10月7日、デジタルインフラ法を可決した。情報通信メディア開発庁(IMDA)が、重要IT負荷3メガワット(MW)以上のデータセンター事業者に免許取得を義務付け、事業者が誓約した省エネ・再生可能エネルギー調達目標を法的拘束力のある義務に格上げする。既存事業者は法施行後6カ月以内に免許を申請する必要がある。国内には約70カ所、計1.6ギガワット(GW)のデータセンターが立地し、2024年の消費電力は6.5テラワット時(TWh)と国内総電力消費の約1割を占める(2020年は7%)。デジタル開発・情報省やジュロン島管理機関のJTCも制度運用に関わる。
容量10MW以上の施設はセキュリティ・事業継続性確保のため別途免許が必要となる。年間水使用量が6万立方メートルを超える施設には、水道事業庁(PUB)の水効率基準への順守を求める。違反時の罰金は最大100万シンガポールドル(約1億2352万円)、または国内年間売上高の10%のいずれか高い方とする。再エネ調達義務は入札で容量を獲得した事業者や戦略的投資家に限定される。8月にはジュロン島で200MW分が、デジタル・リアルティ、エクイニクス、ケッペル・データセンターズ、STテレメディア・グローバル・データセンターズの4社に各50MWずつ配分され、再エネ比率50%以上が条件とされた。タン・キアット・ハウ デジタル開発・情報担当上級国務相は、容量に機械的な上限を課す意図はないと述べた。
背景
シンガポールは2019年にデータセンターの新規開発を一時停止し、戦略を見直した。2022年に凍結を解除して以降、2回の競争入札を実施し、戦略的投資家には個別審査で追加容量を配分してきた。各入札には効率・再エネ条件が付されてきた。議会審議では、法の施行が国の競争力や電力価格に与える影響、老朽施設を改修する事業者への支援策について議員から質問が出た。
日本企業への含意
データセンターの誘致・運用に関わる日本企業にとって、シンガポールでの新規・増設計画は免許取得と効率基準の順守が前提となり、PUEや再エネ比率の目標を満たせない場合は罰金や許可取消のリスクが生じる。既存施設を運営する日系のクラウド事業者や金融機関も、法施行後6カ月以内の免許申請対応が必要になる可能性がある。冷却方式によって水使用量が多い設備を持つ事業者は、PUBの水効率基準への適合も検討課題となる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.53円 / 1000VND=6.09円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.68円 / 1SGD=123.52円 / 1USD=158.10円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

