シンガポール、テコン島に200haのエネルギー拠点構想 調査開始
シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)が、テコン島の埋立地にエネルギーインフラ拠点を整備する構想の実現可能性調査について、コンサルタント選定の入札を公告した。
エネルギー市場監督庁(EMA、シンガポールのエネルギー市場規制・計画を担う政府機関)は10月5日、国内東部沖のテコン島の埋立地にエネルギーインフラ拠点を整備する構想について、実現可能性調査を担うコンサルタントを選ぶ入札を公告した。対象となる埋立地は200ヘクタールで、観光・レジャー地として知られるセントーサ島の面積の約40%に相当する。シンガポール軍(SAF)の訓練用地としての需要を満たした後、テコン島には民生用途に転用可能な土地が約500ヘクタール残ると見込まれている。構想が実現すれば、水素対応の天然ガス火力発電所や液化天然ガス(LNG)基地、その他の低炭素エネルギー技術の拠点になり得るとしている。コンサルタントは2027年半ばまでに選定される見通しで、調査には2年程度を要する見込み。
EMAによると、シンガポールの電力システムのピーク需要は今後10年間で年2.4〜4.8%増加し、2031年までに9.6〜11.4ギガワットに達する見通し。半導体製造やデータセンターの拡大が需要を押し上げる主因という。新設を計画する水素対応天然ガス火力発電所は1基あたり600メガワットの発電能力を持ち、経済開発庁(EDB)の試算では4ルームフラット86万4000戸分の年間電力を賄える規模となる。水素は2050年までに電力需要の最大50%を満たす可能性があるとされる。EMAのプア・コクキョン最高経営責任者(CEO)は「エネルギーはシンガポールの発展と成長を支える重要な資源であり、将来のエネルギーインフラ需要に備えることが不可欠だ」と述べ、構想が実現すればテコン島の拠点が同国の拡大するエネルギー需要への対応に重要な役割を果たすとの考えを示した。
背景
ウォン首相(シンガポール首相)は2026年8月のナショナル・デー・ラリー(国民向け演説)で、SAFの需要を満たした後もテコン島に約500ヘクタールの民生転用可能な土地が残ると説明していた。2025年度予算演説でも電力需要の増大への対応とクリーン電力拡大の必要性を強調していた。EMAは2026年4月にも最大3基の水素対応天然ガス火力発電所の新設に向けた入札を公告しており、シンガポールは水素や原子力を低炭素電源の選択肢として検討を続けている。
日本企業への含意
発電プラントやLNG基地建設、水素供給網に関わる日本の重工・商社・エンジニアリング企業にとって、今回の実現可能性調査やその後の設備建設で参画機会が生まれる可能性がある。水素対応火力発電やLNG基地の需要が拡大すれば、関連技術・機材の供給、現地パートナーとの協業検討が必要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.40円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.66円 / 1SGD=123.43円 / 1USD=157.98円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

