フィリピン、鉱業契約50年満了後の資産没収条項に日本商議所が異議
フィリピンの日本商工会議所は、契約満了時に資産を政府へ譲渡させる新規則案の条項に懸念を示す意見書をエネルギー省に提出した。
フィリピン日本商工会議所(JCCIPI、在フィリピン日系企業が加盟する商工会議所)は、エネルギー省(DOE)と環境天然資源省(DENR、鉱業・環境政策を所管しDOEと共同でJAOを提案したフィリピン政府機関)が提案した共同行政命令(JAO)案について懸念を表明する意見書を、2026年10月末の金曜日にDOEへ提出した。報道は11月2日。問題視されているのは第6.10条で、既存の契約保有者や事業者に対し、契約満了時に対象資産を政府へ譲渡することを義務付ける内容となっている。この規則は鉱業や天然資源契約全般に適用される。
JCCIPIは意見書で、この義務の法的根拠や既存の契約内容との整合性、民間の資産所有権や投資家の信頼への影響に疑問を呈した。また、新たな要件の導入が規制の予見可能性や既存事業者への一貫した扱いに懸念を生じさせるとし、契約満了時の資産帰属が不明確なままだと企業価値評価や資金調達、将来投資の判断に影響しかねないと指摘した。さらに、資格ある事業者が今後の入札への参加をためらう可能性や、フィリピンの鉱業セクターを検討する投資家の判断に影響する可能性にも言及し、戦略産業や新興サプライチェーンへの外資誘致方針と入札要件の整合性を求めた。
背景
DOEは2026年の石炭入札ラウンドを開始し、アンティーケ州セミララ島の鉱区がこれに含まれる。しかし政府が新規則の指針を最終化する作業を続けているため、入札は停滞している。同島最大の石炭鉱山を運営するセミララ・マイニング(SMPC、フィリピン最大の石炭生産会社)は、1976年制定の大統領令972号(石炭開発法)に基づく50年契約が満了を迎えつつあり、他の関係者とともにこの新規則枠組みに懸念を示してきた。
日本企業への含意
フィリピンで鉱業や資源関連の権益を持つ、あるいは今後の入札参加を検討する日本企業にとって、契約満了時の資産帰属ルールが不透明なままだと、投資判断や資金調達計画に影響が及ぶ可能性がある。現地の規制動向を注視し、既存契約の条件変更リスクを投資評価に織り込む必要が出てくる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.87円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.67円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.80円 / 1SGD=123.23円 / 1USD=157.51円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

