マレーシア、VLSFO船舶燃料ハブ化を提言 30年の専門家
マレーシアの海事専門家が、同国を地域の低硫黄船舶燃料(VLSFO)の調合・貯蔵・供給拠点とするよう提案した。
海事・海運業界で30年の経験を持つMaritime Network Sdn Bhd(マレーシアの海事関連企業)のジェイエンデラン最高経営責任者(CEO)は2026年10月22日、マレーシアが石油資源、パーム油産業、貯蔵施設、港湾を活用し、船舶用低硫黄燃料油(VLSFO)を調合・貯蔵・供給する地域の海事燃料拠点になるべきだと提案した。同氏は、精製所や石油供給業者から燃料成分を調達し、所定の比率で調合した上で硫黄含有量など規格を満たすか検査し、完成したVLSFOを専用タンクに貯蔵した後、港湾やバンカー船を通じて船舶に供給する仕組みを説明した。
ジェイエンデラン氏は、石油貨物の受け入れ・輸送にとどまらず、燃料の調合・貯蔵・販売まで国内で行うことで、より多くの収益を得られると述べた。こうした事業は地元企業を支え、港湾サービスや物流、石油取引への追加需要を生むとも指摘した。背景には国際海事機関(IMO)が定める船舶燃料の硫黄含有量を0.5%以下に制限する世界規制があり、2020年1月に発効して以降、規格を満たす燃料の需要が生まれている。
背景
セランゴール州(マレーシア南部、クアラルンプール近郊)のアミルディン・シャリ州首相は、補助金や公務員給与、債務返済、退職給付が開発・経済転換の資金を圧迫しているとして、政府に歳入基盤の拡大と新たな戦略産業の特定を求めた。同首相はさらに、国営石油会社ペトロナスや政府系投資会社への依存を減らすため、産業の多角化を進めるよう財務省に要請していた。
日本企業への含意
マレーシアがVLSFOの調合・貯蔵拠点として整備が進めば、日本の海運会社にとって燃料調達先の選択肢が増える可能性がある。また商社や石油関連企業にとっては、現地での燃料ブレンド・貯蔵・供給事業への参入機会が生まれる可能性があり、既存の港湾物流網との連携を検討する余地が出てくる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.84円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.42円 / 1SGD=122.85円 / 1USD=156.91円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

