フィリピンペソ最安値63.52ペソ、中銀は0.5%利上げ
フィリピンペソが22日、対ドルで過去最安値63.52ペソ(約157円)を記録し、フィリピン中央銀行は同日0.5%の利上げを決めた。
フィリピンペソは22日の取引で前日比15.9センターボ安の1ドル(約157円)=63.52ペソで引け、過去最安値を更新した。前日21日の63.361ペソ(約157円)を下回り、4営業日連続で過去最安値を更新する展開となった。2026年に入ってから35回目、10月だけで6回目の最安値更新となる。フィリピン中央銀行(BSP)は同日の会合で政策金利である翌日物リバースレポ金利を0.5%引き上げて5.5%とした。市場予想を上回る利上げ幅で、4会合連続の利上げとなった。ペソ安が続く中でも利上げを継続した形だが、中銀総裁はペソ防衛が目的ではないと説明している。
この日のドル取引高は17億1600万ドル(約2692億6094万円)で、前日の13億4000万ドル(約2102億6204万円)から増加した。ペソは22日に1ドル=63.31ペソ(約156円)で寄り付いた後、取引中は63.3ペソ(約156円)まで買われる場面もあったが、終値にかけて63.545ペソ(約157円)まで売られた。年初来では2025年12月29日の終値58.79ペソ(約145円)から4.73ペソ(約12円)(7.45%)下落している。アテネオ経済研究開発センターのセル・ペルシバル・ペニャ=レイエス上席研究員は、原油高とドル高、経常赤字など国内の構造的な脆弱性が重なっていると指摘した。フィリピン開発研究所のジョン・パオロ・リベラ上席研究員は、金融引き締めは減速要因にはなるが世界的なドル高を完全には相殺できないと述べた。BSPのエリ・レモロナ総裁は、利上げはペソ防衛のためではなく、インフレを招くほどの急激な変動を避けるための限定的な為替介入のみ行っていると説明し、介入の具体的な閾値は投機筋に手がかりを与えるため非公表とした。市場関係者は23日のペソが63.4〜63.8ペソ(約158円)の範囲で推移すると予想し、ペニャ=レイエス氏は原油高とドル高が続けば数日から数週間で64ペソ(約158円)を試す可能性があると述べた。
背景
フィリピンペソは2026年を通じて下落基調が続いており、BSPは4会合連続で利上げを実施してきた。中東情勢の緊迫化による原油価格の変動が、輸入依存度の高いフィリピン経済にとって輸入コスト増加要因となり、ペソ安の一因となっている。
日本企業への含意
フィリピンに輸入依存度の高い事業を持つ日本企業にとっては、原材料や部品の調達コストがペソ安と原油高の両面で押し上げられる可能性がある。現地法人を持つ企業は、円建て収益への換算差損や金利上昇による資金調達コストの増加にも注意が必要になる。為替変動が大きい局面が続くため、フォワード予約など為替ヘッジの見直しが求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.84円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.42円 / 1SGD=122.85円 / 1USD=156.91円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

