タイCOM7、保険子会社iCareにPLANBが8.6億バーツ出資
タイの家電大手COM7は保険子会社iCareへの第三者割当増資を承認し、PLANBが8.6億バーツ(約40億3233万円)を出資してiCareの株主になることが決まった。
COM7(タイの大手IT小売企業)は2026年9月28日の取締役会で、傘下の保険会社iCare(電子機器保証保険を主力とする保険会社)への第三者割当増資を承認した。増資規模は2.8158億バーツ(約13億2026万円)で、新株11.263億株(額面0.25バーツ)を発行し、屋外広告大手のPLANB(タイのOOH広告事業を展開する上場企業)が8.6億バーツ(約40億3233万円)を投じて引き受ける。この結果、COM7のiCare株保有比率は86.17%から46.28%に低下し、iCareはCOM7の子会社ではなくなる。同時にCOM7は、スマートフォンやIT機器のリース・分割販売を手がける新子会社「Uvan Money」の設立も承認した。登録資本金は5000万バーツ(約2億3444万円)で、普通株50万株(額面100バーツ)を発行し、親会社Uvan Capitalが99.9996%を保有する。設立登記は2027年第1四半期を予定する。
iCareの増資案は2026年11月6日午前10時にオンラインで開く臨時株主総会での承認、さらにタイの保険委員会(คปภ.)の認可を経て、2026年第4四半期の完了を見込む。基準日は同年10月14日。PLANBはCOM7株式の11.01%を保有する関係会社であるため、本件は関連当事者取引に該当し、利害関係株主を除く出席株主の4分の3以上の賛成が必要となる。取引規模は純資産ベースで7.95%、純利益ベースでは3.14%と開示基準の3%を上回ることから、独立財務顧問(IFA)としてSilverlining Advisory(シルバーライニング・アドバイザリー)が株主に意見を提出する。
背景
iCareは近年、スマートフォンなど電子機器の破損・盗難保証保険を中心とする非自動車保険分野で成長してきたが、販売チャネルの大半をCOM7の店舗網に依存しており、収益がCOM7の顧客基盤に偏る構造的なリスクを抱えていた。今回の増資はCOM7以外の顧客層への拡大を狙ったもので、広告媒体運営に強みを持つPLANBとの提携によって販路を広げる狙いがある。
日本企業への含意
日本の家電量販店やIT機器メーカーがタイで消費者向けリース・分割払いサービスを展開する際、COM7のUvan Money設立は参考事例になる。また保険事業を広告会社との提携で拡大する手法は、日本の損害保険会社がタイで販路多角化を検討する際の選択肢となり得る。関連当事者取引としての厳格な株主承認手続きも、タイでの資本提携を計画する企業は留意する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.68円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.69円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.56円 / 1SGD=123.12円 / 1USD=157.38円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

