フィリピンEC、代引き比率23%で東南アジア6カ国中最高
フィンテック企業Xenditの調査で、フィリピンのEC取引額に占める代金引換(COD)比率が23%と、調査対象の東南アジア6カ国中で最も高いことが分かった。
Xendit(インドネシア発のフィンテック企業)と市場調査会社Cubeは2026年10月18日、「Eコマース決済モメンタムレポート」を公表した。Xenditのフィリピン向けプラットフォームで処理されたEC取引額のうち、代金引換(COD)が占める比率は約23%で、調査対象の東南アジア6カ国の中で最も高かった。調査は東南アジア6カ国のオンライン購入者計6000人を対象に実施され、うちフィリピン人は1000人だった。報告書は2027年までに東南アジア全体のCOD比率が25%を下回る一方、フィリピンは20%以上を維持する数少ない市場の一つになると予測した。
フィリピン人回答者のうち33%が1年前よりCODの利用頻度を大きく減らしたと答えた一方、12%は「CODをやめる動機は何もない」と回答した。QRコードや銀行振込による決済は2025年1月から2026年4月にかけて198%増加し、Xenditのプラットフォームに占めるQR Ph(フィリピンのQRコード決済規格)の比率は13%、電子マネーの伸び率は3%にとどまった。フィリピンの越境EC比率は2026年時点で9%と推計され、シンガポールの19%、タイの15%、ベトナムの14%、マレーシアの12%、インドネシアの6%と並ぶ。地域全体の越境EC市場は2030年にかけて年11〜19%の成長が見込まれる。Xendit Philippinesのイナ・ガタン氏(go-to-market部門責任者)は、東南アジア全体ではCOD比率が25%を下回る一方、フィリピンは20%を上回る数少ない市場になるとの見通しを示した。同社マーケティング責任者のバレリー・カイ氏は、COD比率が20%を下回る時期について「今後数年以内になるだろう」と述べた。
背景
東南アジアのEC市場規模は2012年の30億米ドル(約4740億853万円)から2025年には1970億米ドル(約31兆1266億円)に拡大し、2031年には4000億米ドル(約63兆2011億円)に達すると見込まれている。この急成長の中で、決済手段としてのCODの位置づけや、QRコード・銀行振込といったデジタル決済の普及度合いが、各市場の消費行動の違いを映す指標となっている。
日本企業への含意
フィリピン市場でECを展開する日本企業は、COD依存が他の東南アジア市場より根強い点を踏まえた決済設計が必要になる。QRコードや銀行振込の急増は代替決済インフラ整備の余地を示しており、決済代行やフィンテック分野の日本企業には現地パートナーとの連携機会が広がる可能性がある。また越境EC比率がシンガポールなどに比べ低い点は、フィリピン市場では国内の配送網や決済の信頼性確保が越境展開の前提になることを示唆する。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.83円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.46円 / 1USD=158.00円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

