インドネシア国営建設4社の株式停止、合併で再建図る
インドネシア証券取引所は、社債償還の不履行を理由に国営建設大手4社の株式取引を相次いで停止し、政府系投資機関ダナンタラが合併による財務再建を進めている。
インドネシア証券取引所(BEI)は、国営建設会社のワスキタ・カルヤ(WSKT)、ウィジャヤ・カルヤ(WIKA)、アディ・カルヤ(ADHI)、PP(PTPP)の4社の株式取引を、社債の元本・利払いの不履行を理由に相次いで停止した。停止日はWSKTが2023年5月8日、WIKAが2025年2月18日、ADHI(インドネシアの国営建設会社)が2026年8月21日、PTPPが2026年10月5日。政府と政府系投資機関ダナンタラ(2025年発足、国有企業の資産を集約する機関)は、4社を対象に合併による財務再建を進めており、完了時期を2026年末としている。国有企業所管庁のBP BUMNを率いるドニー・オスカリア最高執行責任者(COO)は、まず実施しやすい案件から合併に着手すると述べた。
再建はPTPP、ADHI、ブランタス・アビプラヤ、ニンディヤ・カルヤの4社を優先し、ADHIはニンディヤ・カルヤとブランタス・アビプラヤを統合する計画。WIKAとWSKTは資産健全化や債務圧縮を伴うより複雑な対応が必要として後回しにする。財務面では、WIKAの2025年純損失は9.7兆ルピア(約853億7673万円)で前年の2.26兆ルピア(約198億9190万円)から329.2%増加、売上高は13.32兆ルピア(約1172億3898万円)に減少した。PTPPの純損失は6.07兆ルピア(約534億2647万円)と前年比300%増え、減損損失は7.35兆ルピア(約646億9268万円)と前年の20倍に膨らんだ。PTPPのジョコ・ラハルジョ広報担当役員は、資産の質向上と慎重なリスク管理の一環だと説明した。ミラエアセット証券のナファン・アジ・グスタ上級テクニカルアナリストは、合併の利点は効率化と財務統合だが再建は時間稼ぎに過ぎず、4銘柄は通常の投資対象ではなく高リスクの「特殊状況」銘柄とみなすべきだと述べた。
背景
WSKTは社債の元利払い不履行を受けて2023年5月に取引停止となり、WIKAも2025年2月に社債・スクーク(イスラム債)の償還不履行で停止された。ADHIは2026年8月に利払いを延期して停止対象となった。WIKAとWSKTは上場廃止の可能性がある銘柄リストに含まれ、いずれも流動性逼迫と債務負担に直面している。
日本企業への含意
インドネシアで建設案件を受注または出資する日本企業にとって、これら4社との共同事業や下請け契約では与信管理の厳格化が必要になる。合併完了まで財務情報が流動的なため、契約条件やエスクローの見直しが求められる可能性がある。再建完了後は保証体制が整い、インフラ投資で新たな提携機会が生まれる可能性もある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.02円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.62円 / 1SGD=123.27円 / 1USD=157.73円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

