タイ映画業界、AI導入で3〜5年にクルー需要40〜50%減
タイの映画業界幹部らが、AI活用により今後3〜5年でクルー需要が40〜50%減少する可能性があると指摘。制作会社が制作費を半減させるAIハイブリッド映画を計画している。
2026年11月2日、タイのエンターテインメント業界指導者らは、AIの採用により映画制作・ポストプロダクション部門でのクルー需要が3〜5年で40〜50%減少する可能性があると述べた。映像・コンテンツ業界を代表する団体の幹部でもあるSirisak Koshpasharin氏が率いるDraconic Coは、タイと中国との合作によるAIハイブリッド長編映画を手がける予定を発表。バンコク大学のデジタルメディア・映像芸術科で開かれたフォーラムで公表された。
Draconic Coは制作費を従来の3000万バーツ(約1億4000万円)から1500万バーツ(約7000万円)に削減する一方で、1億〜2億バーツ(約4億6666万円〜約9億3331万円)の予算で製作された作品に引けをとらない映像品質を実現する狙い。通常、企画から公開までに2〜3年を要する。Sirisak氏は、タイの創作者が世界的な動向をつかむ期間として「3年が勝負」と指摘した。AI Creative Association Thailandの指導者Sutouch Parncharoen氏は、AIが制作の流れと自動化を統括する「AIオペレーター」という新職を生み出していると述べた。バンコク大学デジタルメディア・映像芸術科のPanu Aree講師は、置き換えの影響が来年タイで現れると指摘した。
背景
フォーラムでは中国事例が紹介された。中国では個人規模のAI関連企業が10万社出現し、2026年1月だけで5万634本のAIショートドラマが立ち上がった。世界のショートドラマ市場は2026年に60億ドル(約9451億7958万円)へ拡大すると予測される。タイの創造経済規模は86億ドル(約1兆3548億円)と評価されている。
日本企業への含意
日本の映像制作会社や広告業界は、タイでのAIハイブリッド手法の浸透に伴い、合作や委託先としてのタイ利用時の制作コスト削減が見込める。同時に、AIオペレーターなど新しい職種への人材育成と、従来型スタッフ中心の制作体制の組み替えが課題になる。短編コンテンツ市場の拡大を踏まえれば、配信事業者はタイを発信源とするAI活用作品の調達に目を向ける必要が高まる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.93円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.67円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.83円 / 1SGD=123.26円 / 1USD=157.53円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

