タイCPF、サプライヤー5500社にAI活用支援を発表
タイの食品大手CPFは、AIを活用して食品産業の付加価値向上を図り、傘下サプライヤー約5500社のSME支援に乗り出すと発表した。
CPF(タイの上場食品大手、เจริญโภคภัณฑ์อาหาร)は「Beyond Global Food: Innovating for a Food-Secure Future」と題したイベントで、AIを活用して食品産業の付加価値と生産性を高める方針を発表した。具体的には、農場運営を体系化する「Smart Farm Solution」を開発し、サプライヤーの技術力・生産性向上を支援する「Supplier Excellence」プログラムを展開する。これにより、CPFのサプライヤー網に含まれる約5500社のSME(中小企業)の能力開発を後押しする。発表したのはプラサート・ブンドゥアンプラサートCPF会長兼最高経営責任者(CEO)。発表日や開催地の明記はない。
プラサート氏は、今後10年を見据えると、気候変動や地政学リスクの高まりを背景に食品が戦略的資産になり得ると述べた。またAIは原料調達から製品開発まで価値連鎖のあらゆる工程で効率化に寄与し、データを製品開発に生かせるようになるとした。さらに同氏は、CPFを単なる商品供給者から国の競争力向上を共に担うパートナーへ役割転換させたいと述べた。Supplier Excellenceは研修や技術者派遣を含み、Smart Farm Solutionは従来の経験則に頼ってきた農場管理を体系立てる狙いがある。取り組みは長期的にNet Zero(脱炭素)対応も見据え、段階的に進める方針。
背景
タイは世界有数の食品輸出国として、従来は数量を重視した競争戦略(Volume-based Position)を採用してきた。しかし気候変動や地政学的リスクの高まり、国際貿易の制限拡大を背景に、今後は付加価値創出(Value Creation)と生産性向上(Productivity)へ戦略を転換する必要があると指摘されている。
日本企業への含意
CPFのサプライヤー網に連なる日本の食品・農業関連企業や、タイに拠点を持つ日系食品メーカーは、取引先のAI活用やデータ管理の水準が引き上げられる可能性がある。サプライチェーンの体系化や脱炭素対応を求められる場面が増えるとみられ、現地の研修プログラムや技術支援への参加を検討する必要が出てくる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.82円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.40円 / 1SGD=122.70円 / 1USD=156.84円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

