フィリピン、ペソ急反発 1ドル64.025ペソ 大統領が為替防衛表明
フィリピンペソは10月28日、前日の過去最安値から14.5センターボ戻し1ドル(約158円)64.025ペソ(約158円)で引け、マルコス大統領が「ペソを守る」と表明したことが支えとなった。
フィリピンペソは10月28日、対米ドルで14.5センターボ反発し、1ドル64.025ペソで取引を終えた。前日27日には1ドル64.17ペソ(約158円)という過去最安値を記録し、史上初めて64ペソ(約158円)台に突入していた。マルコス大統領はフィリピン中央銀行(BSP)の関係者や経済閣僚と会談した後、ペソ防衛に向けあらゆる手段を講じると表明。「ペソの価値がこれ以上下落しないよう全力を尽くす」「外貨準備は健全で、これを用いてペソを守る」と述べ、国民に対し「慌てず、パニックにならないでほしい」と呼びかけた。年初来ではペソは5.235ペソ(約13円)下落し、下落率は8.18%に達している。
28日の取引ではペソは1ドル64.08ペソ(約158円)で寄り付き、日中では63.94ペソ(約158円)まで買われた場面もあったが、64.18ペソ(約158円)まで売られる場面もあった。取引額は16億6200万ドル(約2624億3486万円)で、前回の17億2600万ドル(約2725億4066万円)から減少した。外貨準備高(GIR)は9月末時点で999億9700万ドル(約15兆7898億円)と前年比8.31%減少し、2023年9月以来3年ぶりの低水準となった。北海ブレント原油は1バレル115ドル(約2万円)で、前週には117ドル(約2万円)まで上昇していた。ある取引担当者は「大統領の防衛姿勢表明を受けた利益確定の動きもあった」と述べた。元中央銀行総裁のホセ・L・クイシア氏は「1ドル65ペソ(約160円)の節目は米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を控え容易に割り込み得る」と指摘し、「利上げが決まればペソへの圧力は一段と強まる」との見方を示した。リサール商業銀行(RCBC)のミカエル・L・リカフォート氏は1ドル63.9〜64.1ペソ(約158円)のレンジを予想した。フィリピン財務役員協会(FINEX)は「BSPは金融政策面で動いているが、政府は歳出の改善や供給体制の強化で呼応すべきだ」と提言した。
背景
ペソは10月27日までに7営業日連続で過去最安値を更新し、同日に史上初めて1ドル64ペソ台を突破した。マルコス大統領はこの事態を受け、発言に先立ちBSP関係者や経済閣僚と会談を行っていた。
日本企業への含意
ペソ安は輸入物価の上昇を通じて現地法人のコスト増につながる可能性があり、フィリピンに拠点を置く日本企業は資材調達や人件費のペソ建てコストが円換算で膨らむ局面に備える必要がある。一方、米FOMCの決定次第でペソが一段安となる可能性もあり、為替ヘッジや決済通貨の見直しが課題になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.00円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.61円 / 1SGD=123.23円 / 1USD=157.90円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

