フィリピン中銀、物価高騰で追加利上げへ 2027年に6.25%視野
フィリピン中央銀行は10月22日に政策金利を0.5%引き上げ5.5%とし、物価高騰を受け2027年初頭まで追加利上げが続くとの見方が市場で広がっている。
フィリピン中央銀行(BSP)は10月22日の金融政策委員会で政策金利を0.5%引き上げ、5.5%とした。0.5%の利上げ幅は2023年2月以来約4年ぶりで、4会合連続の利上げとなる。2026年4月以降の累計引き上げ幅は1.25%に達した。背景には9月の総合消費者物価指数(CPI)上昇率が7.2%と3年半ぶりの高水準となったことがあり、コアインフレ率も4.7%と約3年ぶりの高さに達した。総合インフレ率はBSPの目標である3%を7カ月連続で上回っている。野村(Nomura)やANZリサーチ(ANZ Research)、シティグループ(Citigroup, Inc.)など複数の市場関係者は、12月と2027年第1四半期(おそらく2月)の会合でさらなる利上げが実施されると予想している。
野村は12月の会合で0.5%の大幅利上げ、2027年第1四半期(おそらく2月)に0.25%の利上げを予想し、2月までに政策金利は6.25%に達すると見る。ANZリサーチは次の2回の会合でそれぞれ0.25%の利上げを予想し、2027年第1四半期に政策金利は6%に達するとみる。シティグループも12月と2月にそれぞれ0.25%の利上げを織り込む。一方オックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)は12月に0.25%利上げ後、2027年は据え置きを予想する。BSPは2027年のインフレ見通しを従来の5.4%から6%に引き上げ、2028年は3.3%とした。フィリピンペソは10月24日に1ドル(約157円)=63.615ペソ(約157円)と史上最安値を更新し、年初来では58.79ペソ(約145円)から7.58%下落した。開発予算調整委員会(DBCC)は2030年までのペソ相場を60~62ペソ(約148~153円)とする見通しを示す。
背景
BSPは2026年4月以降、燃料や食品、住宅・光熱費の価格上昇を背景に金融引き締めを続けてきた。国際準備高は9月に前年比8.8%減少し、3年ぶりの低水準に落ち込んだ。BSPは2025年2月、銀行の預金準備率(RRR)を2%引き下げ5%としたが、現在の金融引き締め局面ではRRRの追加引き下げを見送る方針とされる。
日本企業への含意
フィリピンに拠点を持つ日本企業は、ペソ安と利上げ局面が重なることで資金調達コストの上昇と為替変動リスクの両方に直面する可能性がある。現地通貨建て借入や設備投資計画は金利上昇を織り込んだ見直しが必要になる。輸入原材料や燃料価格の上昇はコスト転嫁圧力を強めるため、現地法人の価格戦略や為替ヘッジの再点検が求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.81円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.41円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.84円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

