フィリピン、EV育成策に600億ペソ上限 三菱系70億ペソ投資表明
フィリピン政府は大統領令121号でEV産業育成策EVISを創設し、三菱自動車の親会社が70億ペソ(約175億6169万円)のハイブリッド車製造投資を発表した。
フィリピンのマルコス大統領は大統領令121号により電気自動車優遇戦略(EVIS)を創設した。対象はEVやハイブリッド車の製造・組立に投資するメーカーで、最低50億ペソ(約125億4406万円)の資本投資と、登録から3年以内の現地生産モデル投入が条件となる。制度全体の財政支援上限は600億ペソ(約1505億2873万円)。これに合わせ三菱自動車フィリピンの親会社は、現地でのハイブリッド車製造に向け70億ペソ(約175億6169万円)の投資を発表した。政府はカローカン市のMD Juan Enterprisesなど既存の車両製造施設をEV生産向けに転用できるか評価を進めている。
EVISの支援内容は、バッテリーEVには適格設備投資額の40%、ハイブリッド・プラグインハイブリッド・燃料電池車には30%の固定投資支援を付与する。加えて生産インセンティブとして工場出荷価格の最大12%、1台あたり20万ペソ(約50万円)を上限に支給する仕組みで、最低生産台数の条件も課される。登録・ハイブリッドを含むEV台数は2026年8月までの8カ月間で前年同期比130%増の6万7000台に達した。同国は2026年2月から8月にかけて13本の脱炭素関連政策を導入した。
背景
フィリピンには電力産業改革法(EPIRA)と2008年再生可能エネルギー法という既存の緑の energy 制度がある。2022年には司法省が太陽光・風力・水力・海洋エネルギーを外資規制の対象外と明確化し、2025年2月までにエネルギー省(フィリピンのエネルギー政策を所管)は1400件超の再エネ事業契約を付与した。イラン情勢をめぐる米イスラエルの攻撃で世界的なエネルギー危機が悪化する中、米国では2026年初頭に補助金失効でEV販売が落ち込んだ一方、フィリピンは同時期に東南アジア主要国の中で最も多くの脱炭素政策を導入した。
日本企業への含意
日本の自動車メーカーにとって、EVISは最低50億ペソ(約125億4406万円)の投資と3年以内の現地生産という条件付きながら、ハイブリッド車への支援比率30%・生産インセンティブ上限20万ペソ(約50万円)という具体的な数字が示されたことで、三菱の動きに続く投資判断の目安になる。既存工場の転用可否という点では、現地の製造拠点を持つ日系メーカーは政府の施設評価の対象になる可能性があり、生産戦略の見直しが必要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.87円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.44円 / 1USD=158.00円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

