タイ、労災基金拠出金引き下げ 34万社の負担軽減へ
タイ労働省は労災補償基金の拠出金率を見直し、経験料率割引の上限を引き上げ、年間約17億バーツ(約80億3372万円)の企業負担を軽減すると発表した。
タイ労働省と社会保障局(SSO)は、企業が全額負担する労災補償基金の拠出金率を見直し、労働安全実績の良い企業向けの経験料率割引制度を拡充すると決定した。対象は全1,091業種コードのうち452コードで、事業所数にして34万4,521カ所、全雇用主の約75%に相当する。これにより年間約17億バーツ(約80億3372万円)の拠出金負担が軽減される見込み。発表日・施行日は記事に明記されていない。社会保障局のジーラパー・ブンラット事務局長が説明した。
経験料率による割引率は従来最大50%だったが、今回の見直しで最大70%に引き上げられた。割引対象は安全な労働環境整備に努めてきた事業所で、いずれの雇用主も拠出金が増額されることはないとされる。ジーラパー事務局長は、今回の措置は特に中小事業者の費用・負担軽減を狙った重要な施策であり、同時に安全な職場環境整備の重要性を事業者に意識づける狙いもあると述べた。また、拠出金引き下げは労働者の給付権利を損なうものではなく、経済情勢に応じた基金運営の適正化であり、安全促進のインセンティブを与えつつ基金の財政安定を維持する狙いだとも説明した。
背景
労災補償基金は、業務上の労働災害や疾病、障害、死亡に対する労働者への保障を目的に、雇用主のみが拠出する制度である。ジュラパン・アモーンウィワット労働相は、特に中小企業を中心に雇用主の負担を懸念していたとされる。
日本企業への含意
タイに製造拠点や現地法人を持つ日本企業は、対象となる452業種コードに自社が含まれるか確認する必要がある。該当すれば労災基金の拠出金負担が軽減され、人件費関連コストの見直しにつながる可能性がある。一方で割引適用には労働安全実績が条件となるため、現地事業所の労働安全衛生体制の整備・記録管理が一層重要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.87円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.44円 / 1USD=158.00円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

