米タイ関税協定、11月署名を目指すとトランプ氏書簡
トランプ米大統領がタイのアヌティン首相に書簡を送り、11月のアジア訪問時に米タイ関税協定への署名を目指す意向を示した。
トランプ米大統領はアヌティン・チャーンウィラクン首相宛ての書簡で、11月に予定するアジア訪問中に米タイ間の関税協定に署名できることへの期待を表明した。タイ政府は10月6日の閣議でこの書簡の内容を把握し、残る交渉を加速するよう担当閣僚に指示した。両国は2025年10月、相互貿易に関する枠組みで合意しており、タイは米国産品の約99%について関税を撤廃する一方、米国側はタイからの対象輸入品に19%の相互関税を設定していた。今回の書簡は、この枠組みを正式協定として署名する時期をめぐるものである。
エカポップ・ピヤンピセス政府報道官によると、アヌティン首相は10月6日の閣議でトランプ氏からの書簡を報告し、スパチャイ・スタムパン副首相兼商務相に対し、残された交渉を前進させるよう指示したという。枠組みには米国産農産品・エネルギー産品の購入拡大に加え、米国製航空機80機、総額188億ドル(約2兆9733億円)相当の商業購入計画が含まれる。別途、2026年7月には強制労働関連の輸入規制が不十分とされた国への対応として米通商代表部(USTR)が301条関税を発動しており、タイ製品のうち2120の品目が対象から除外されている一方、対象品目には2.5ポイントの関税上乗せが生じている。
背景
タイと米国は2025年10月、相互貿易協定の枠組みで合意し、関税のほか非関税障壁、デジタル貿易、知的財産、農業、労働基準、経済安全保障協力を対象とした。2026年に入っても正式協定の交渉は続き、同年7月には強制労働関連の301条関税が別途発動された。その後もタイは米通商代表部(米国の通商交渉を担う政府機関)との交渉を継続している。
日本企業への含意
航空機や農産品・エネルギー分野の対米購入拡大が協定に盛り込まれる見通しであり、タイに進出する日本企業は現地の調達構造や物流ルートの変化を注視する必要がある。また強制労働関連の輸入規制強化は、タイを生産拠点とするサプライチェーンにも間接的に影響しうるため、取引先の労務コンプライアンス確認が必要になる可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.27円 / 1000VND=6.10円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.75円 / 1USD=158.15円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

