フィリピン金融システム総資産38.09兆ペソ、前年比9.8%増
フィリピン中央銀行は7月時点の金融システム総資産が38.09兆ペソ(約95兆8376億円)となり、前年同月比9.8%増加したと発表した。
フィリピン中央銀行(BSP)は、2026年7月時点の国内金融システム総資産が38.09兆ペソ(約95兆8376億円)に達したとするデータを公表した。前年同月の34.71兆ペソ(約87兆3333億円)から9.8%増加した。ただし6月に記録した過去最高の38.39兆ペソ(約96兆5925億円)からは0.8%減少しており、月次では小幅な調整となった。銀行部門の資産は31.7兆ペソ(約79兆7599億円)で前年同月の28.6兆ペソ(約71兆9600億円)から10.8%増加し、金融システム全体の83%を占めた。
内訳では、大手の総合銀行・商業銀行の資産が29.35兆ペソ(約73兆8471億円、前年同月26.66兆ペソ=約67兆788億円から10.1%増)、貯蓄銀行が1.52兆ペソ(約3兆8244億円、前年同月1.37兆ペソ=約3兆4470億円から10.6%増)となった。デジタル銀行は213.6億ペソ(約5374億3556万円、前年同月141.7億ペソ=約3565億2911万円から50.7%増)と高い伸びを示し、BSPは最近7件のデジタル銀行免許を承認した。農村・協同組合銀行は合計623.9億ペソ(約1兆5698億円、前年同月424.9億ペソ=約1兆691億円から46.8%増)。非銀行金融機関の資産は6.39兆ペソ(約16兆778億円、前年同月6.11兆ペソ=約15兆3733億円)で、こちらは2026年3月末時点のデータ。Reyes Tacandong & Co.のジョナサン・ラベラス上席顧問は、ほぼ二桁に迫る前年比の伸びは金融システムが経済活動に支えられ堅調であることを示すと述べ、6月の過去最高からの小幅な後退についても「弱さの兆候というより一時的な調整に見える」と述べた。
背景
BSPはこれまで、正規の金融サービスへのアクセス拡大を狙いデジタル銀行部門の育成を進めてきた。一方で中央銀行はデジタル銀行の免許数に一時的な上限を設けていた経緯があり、今回のデータ公表時期にはその上限運用の詳細な時期は明らかにされていない。
日本企業への含意
デジタル銀行や農村・協同組合銀行の資産が前年比で大きく伸びていることから、フィリピンの個人・零細事業者向け金融サービス市場が拡大している。日本の金融機関やフィンテック企業にとっては、提携やシステム提供を通じてこの成長領域に関与する余地が広がる可能性がある。一方で銀行部門全体の資産は月次でわずかに減速しており、短期的な与信環境の変化を注視する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.50円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.50円 / 1SGD=123.11円 / 1USD=157.31円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

