タイ中銀、中小企業融資に新制度 保証枠1000億バーツ導入
タイ中央銀行は中小企業(SME)の資金調達難を解消するため、クレジットポータルや新信用保証制度など3つの新制度を導入すると発表した。
タイ中央銀行(タイの中央銀行)は、中小企業(SME)の資金調達難を解消するため、「クレジットポータル」「新たな信用保証制度」「代替データ交換局」の3つの新制度を導入すると発表した。発表は経済メディア主催の「Thailand Economic Outlook 2027」の場で行われた。タイのSMEは企業数の99.5%にあたる328万社を占め、1360万人(雇用全体の70%)を雇用し、経済規模は1.73兆バーツ(約8兆1743億円)に上る。SME向け融資残高は16四半期連続でマイナスが続いており、タイ中央銀行はこれを是正するため新制度を順次導入する方針だ。
クレジットポータルは2026年12月に稼働を始め、2027年第1四半期に適用を拡大する。新信用保証制度は2027年第1四半期に整備を終え、同年初めから運用を開始、融資目標は年間1000億バーツ(約4725億494万円)、保証期間は5年を想定する。代替データ交換局は電気・水道料金や送金履歴などの公共データを活用し、固定収入のない個人や中小企業を対象に2027年半ばから年末にかけて稼働する見通し。信用情報機関(NCB)の無料照会も年2回まで拡大される。
背景
タイでは中小企業向け融資残高が16四半期連続で前年比マイナスとなっており、信用力上位30%のSMEでも融資を受けられたのは21%にとどまる。大企業の借入成功率63%とは対照的だ。設立5~10年未満の新興SMEは信用実績不足から融資を受けにくく、資金調達の66%を金融機関に依存する一方、34%はノンバンクや知人からの借入に頼っている。融資を受けたSMEは3年目の生存率93%、受けられなかった企業は75%と差が大きい。
日本企業への含意
日本企業にとって、タイの取引先や合弁相手の多くは中小企業であり、資金繰り改善は取引継続性の向上につながる可能性がある。代替データを活用した与信制度は、日本のフィンテック企業や金融機関がタイの金融機関と連携し、与信モデルやデータ基盤を提供する事業機会になり得る。新興SMEの資金調達環境が改善すれば、サプライチェーン上のタイ中小企業の経営リスクが低下する可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.68円 / 1000VND=6.10円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.43円 / 1USD=157.90円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

