GIC・テマセク、インドネシア株格下げ圧力説を否定
シンガポール政府系投資会社GICとテマセクは、MSCIにインドネシア市場の格下げを圧力した疑惑を否定した。
シンガポールの政府系投資会社GIC(シンガポール政府投資公社)とテマセク(シンガポール政府系投資会社)は10月21日、株価指数算出会社MSCI(米国の指数提供会社。株式市場を4段階に分類)にインドネシア市場の格下げを働きかけたとの疑惑を否定する声明を出した。インドネシアのムハマド・ルトフィ元貿易相はインスタグラムで、両社がインドネシア株の意図的な下落を仕組み、安値で買い増すためMSCIに格下げを示唆するよう圧力をかけたと主張していた。発端は、MSCIが前週、不正な協調売買の疑いなどを理由に、インドネシア株指数を新興国から単独国市場へ格下げする協議案を発表したことだった。
GICの広報担当者は「GICとその職員に関する疑惑は事実無根」とし、「インドネシアには30年以上、資産クラスを横断して投資してきており、今後もリスク調整後の良好な投資機会があれば投資を続ける」と述べた。テマセク・グローバル・インベストメンツでアジア太平洋地域(中国・インドを除く)を統括するフォック・ワイ・ホン氏は、「テマセクとして、また職員個人として、地域内のいかなる取引所の意思決定にも影響を及ぼすためMSCIに接触したことは一度もない」とし、疑惑を「明白な虚偽」と断じた。MSCIの発表後、ジャカルタ総合指数は最大16%下落し、発表前水準から9%下げ、その後下げ幅を縮小して5300ポイント台で取引された。単独国市場にはアルゼンチン、レバノン、ウクライナ、ジャマイカが分類されている。
背景
MSCIは先週、不正な協調売買の疑いなどを含む懸念を理由に、インドネシア株指数を新興国市場から単独国市場へ格下げする協議案を発表した。この発表を受けジャカルタ総合指数が急落し、その後ムハマド・ルトフィ元貿易相がインスタグラムで、GICとテマセクが市場パニックを煽り株価下落を誘発したうえでMSCIに格下げを働きかけたと主張する投稿をした。
日本企業への含意
インドネシア株を保有する日本の機関投資家や事業会社は、MSCIの格下げ協議の行方次第で現地株の流動性や評価が変動する可能性があり、投資判断や現地事業の資金調達計画で指数区分変更のリスクを織り込む必要が出てくる。また、政府系投資家を巡る政治的な言説が市場心理に影響を与え得る点も、現地での広報・ステークホルダー対応の重要性を示す。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.72円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.71円 / 1PHP=2.50円 / 1MYR=38.74円 / 1SGD=123.75円 / 1USD=158.10円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

