シンガポール8月NODX46.2%増、通年予測を14〜16%に上方修正
シンガポール企業庁は8月の非石油国内輸出が前年同月比46.2%増となったと発表し、2026年通年の成長予測を3〜5%から14〜16%に引き上げた。
シンガポールの貿易促進機関であるEnterprise Singapore(企業庁)は9月17日、8月の非石油国内輸出(NODX)が前年同月比46.2%増となったと発表した。7月の24.1%増から伸びが加速し、事前の市場予想(中央値35.3%増)も上回った。NODX(シンガポールの景気を映す主要な輸出統計)の伸び率は5カ月連続で20%を超えている。電子機器輸出は131.8%増と大幅に伸び、内訳では集積回路が90.9%増、パーソナルコンピュータが237.9%増、ディスクメディア製品が290.2%増となった。非電子機器輸出も12%増加した。この結果を受け、企業庁は2026年通年のNODX成長率予測を従来の3〜5%から14〜16%へ大幅に引き上げた。
地域別では米国向けが91%増、韓国向けが87.1%増、中国向けが70.3%増となり、主要10市場すべてで輸出が増加した。非石油再輸出(NORX)も53.3%増と伸び、8月の総品目別貿易額は156.9億シンガポールドル、うち輸出は84.7億シンガポールドル、輸入は72.2億シンガポールドルだった。マレーシア系金融機関Maybank傘下のMaybank Investment Bankは2026年通年のNODX成長率予測を18%としている。OCBC(シンガポールの大手銀行)のチーフエコノミスト、セレナ・リング氏は、2025年8月のNODXが133億シンガポールドルと低水準だった反動が大きく、46%増の伸びを単純に将来へ延長すべきではないと指摘し、メモリー価格やAIサーバー受注の動向を注視すべきだと述べた。同社エコノミストのチュア・ハクビン氏は、AI需要や安全資産への資金流入、建設需要の増加が下半期も成長を支えるとの見方を示した。
背景
企業庁による予測引き上げは、2026年上半期の輸出実績とAI関連需要の持続を背景としている。2026年1〜8月の累積NODXは前年同期比22.4%増となっており、通期予測の上方修正はこの実績を反映したものとみられる。
日本企業への含意
半導体や電子機器関連で東南アジアに拠点を持つ日本企業にとって、シンガポールのNODX急伸はAIサーバー需要の強さを裏付ける材料になる。ただしOCBCが指摘するように前年同月の低い基準値による押し上げが大きく、受注計画で高い伸び率をそのまま延長せず、メモリー価格や実需の動向を注視する必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.50円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.50円 / 1SGD=123.11円 / 1USD=157.31円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

