フィリピン10月物価7.7%予想 中銀BSPが警戒継続表明
フィリピンのアナリスト各社は2026年10月の消費者物価上昇率が前年比7.7%になるとの予測中央値をまとめ、中央銀行BSPは警戒を続けると表明した。
フィリピン統計庁は11月5日に10月の公式インフレ率を公表する予定で、マニラ・タイムズが集計したPantheon Macroeconomics、フィリピン・ナショナル銀行、リサール商業銀行、フィリピン諸島銀行(BPI)、チャイナバンク、ユニオンバンク、メトロバンクなどのエコノミスト予測の中央値は7.7%となった。これは2025年10月の1.7%から大幅な上昇となる。フィリピン中央銀行(BSP)は10月のインフレ率を7.1〜8.1%のレンジと予測しており、「データ、特にインフレと成長見通しに注意を払い続ける」とし、中東情勢の影響も引き続き評価するとした。
個別予測では、Pantheon MacroeconomicsのMiguel Chanco氏が7.3%、BPIのEmilio Neri Jr.氏が7.7%、チャイナバンク・ユニオンバンク・メトロバンクの各エコノミストが7.8%、リサール商業銀行のMichael Ricafort氏が7.6%を見込む。Neri氏は、燃料価格高による輸送費上昇が続けば11月に8%を超える可能性があり、通貨防衛と二次的波及の抑制のため追加利上げが必要になり得ると述べた。チャイナバンクのDomini Velasquez氏はエルニーニョによる食品価格圧力でインフレは11月にピークを迎え、コアインフレ率は5.4%まで上昇すると予測。ユニオンバンクのRuben Carlo Asuncion氏は食品が主因としつつ一部農産品価格は10月初旬に落ち着きの兆しを見せたと述べた。メトロバンクのNicholas Antonio Mapa氏は、BSPが成長への配慮から緩やかな引き締めペースに戻るとの見方を示した。
背景
9月の総合インフレ率は6.1%(8月は8.0%)で推移した。一方で、食品・非アルコール飲料指数は9月に前年比6.7%増(8月4.6%増)、住宅・水道・電気・ガス等指数は8.4%増(8月7.9%増)、輸送指数は14.6%増(8月13.5%増)と、いずれも伸びが加速した。輸送費の上昇は9月下旬に承認されたバス・ジプニー・タクシー運賃の値上げが影響しており、エルニーニョ現象とペソ安も物価圧力を強めている。2026年1〜9月の平均インフレ率は5.4%となっている。
日本企業への含意
フィリピンで事業を展開する日本企業にとって、輸送・エネルギー・食品関連コストの上昇が調達価格や人件費に波及する可能性がある。追加利上げが実施されればペソ建て資金調達コストが上がり、現地法人の資金計画見直しが必要になる。インフレ加速が最低賃金引き上げ圧力につながれば、人件費管理の見直しも求められる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.87円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.67円 / 1PHP=2.47円 / 1MYR=38.80円 / 1SGD=123.23円 / 1USD=157.51円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

