フィリピン、GCash運営Myntが53億ペソでIPO上場へ
フィリピンのフィンテック大手Mynt(GCash運営会社)が2026年10月20日にフィリピン証券取引所に上場し、基本募集額は53億ペソ(約132億9670万円)となる。
GCashを運営するMyntは、2026年10月6〜12日の申込期間を経て同月20日にフィリピン証券取引所に上場する。基本募集株数は80億3000万株で、うち16億1000万株が新規発行株、64億2000万株が既存株主による売出株。最終発行価格は1株6.6ペソ(約17円)に決定した。このうち30%にあたる24億1000万株が国内証券会社の顧客および個人投資家向けに確保され、GCashアプリ上のGStocks PH(AB Capital Securities提供の株式取引サービス)を通じて、最低100株から購入できる仕組みが整えられた。
募集にはオーバーアロットメント・オプションとして最大12億株の売出株が追加設定されており、全て行使されれば総株数は92億3000万株に達する。新規発行分の調達資金は、融資・資産運用事業を手がける子会社CreditTechに60%、商品開発に20%、一般管理業務に20%を充てる計画。Myntの登録ユーザーは9400万人、日次アクティブユーザーは4900万人に上り、Morgan Stanleyは今期の純利益を21億2000万ペソ(約53億1868万円)と見積もる。公開価格は当初の指標価格10ペソ(約25円)から3.4ペソ(約9円)下がって決定されたが、著者(The Philippine Star紙Mary Ann LL. Reyes氏)は、これは株式価値の下落ではなく、需要を測るブックビルディング過程の出発点に過ぎなかったと説明した。
背景
経済協力開発機構(OECD)がまとめたフィリピン資本市場レビューによると、投資をためらう理由として「金融知識の不足」を挙げた回答者が11%、「適切な投資商品を見つけにくい」と答えた回答者も11%いた。フィリピン中央銀行(BSP)の2021年金融包摂調査では、投資経験のある回答者のうち株式を保有していたのはわずか1%にとどまっていた。最終価格決定前、引受会社のAB Capital Securitiesは、Myntが構造的な成長性、確立された収益性、顧客基盤の収益化余地の大きさから高めの評価に値すると主張していた。
日本企業への含意
日本のフィンテック企業や証券会社にとって、決済アプリを入口に株式取引サービスを組み込み、投資経験の少ない個人層を取り込む手法は参考になる。東南アジアで広がるモバイル決済基盤を活用した資産運用サービスの展開余地があり、現地パートナーとの提携や、最低購入単位を下げた小口商品設計が普及の鍵になる可能性がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.87円 / 1000VND=6.11円 / 1THB=4.73円 / 1PHP=2.51円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.44円 / 1USD=158.00円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

