三菱商事、フィリピンのアヤラ出資を4.7%から15%に拡大
三菱商事はフィリピンの複合企業アヤラ・コーポレーションへの出資比率を15%に引き上げると発表し、議決権比率も20%とする投資を実施する。
三菱商事は2026年10月、フィリピンの複合企業アヤラ・コーポレーションへの出資比率を従来の4.7%から15%に引き上げると発表した。投資額は445億ペソ(約1122億1675万円)(=)。これにより三菱商事の議決権比率は20%となる。アヤラは過去3年間で外資から965億ペソ(約2433億円)の資本を呼び込んでおり、今回の三菱商事による追加出資もその一環となる。両社の提携は不動産、エネルギー、フィンテック、モビリティ、物流、人工知能の各分野での共同事業拡大につながるとされる。
両社の関係は2024年、三菱UFJフィナンシャル・グループとMUFG銀行がGCash運営会社Mynt(フィンテック)に224億ペソ(約565億円)を出資したことに始まる。同年、三菱商事はアヤラが保有するAC Ventures Holding Corp.(Myntに約13%出資)の持分50%を190億ペソ(約479億円)で取得した。アヤラ・グループは2024年から2026年にかけ、国際企業から計106億ペソ(約267億円)の戦略出資・提携を確保している。今回の取引でアヤラが得る200億ペソ(約504億円)のうち、コンシン社長兼CEOは半分を債務削減、残り半分を主に不動産子会社アヤラ・ランドの株式買い戻しに充てる見通しを示した。公開株主向けの自主公開買付けは1株650ペソ(約1639円)で最大約3000万株を対象とし、証券取引委員会の承認を経て2026年末までの実施を目指す。
背景
三菱商事とアヤラの関係は52年に及ぶ。三菱商事ナカニシ社長は2026年初めにフィリピンを訪問し、アヤラ経営陣およびマラカニアン宮殿でマルコス大統領と会談した。この訪問を機に両社の交渉が加速し、今回の出資拡大につながった。コンシン氏は、Mynt案件から1年半を経て、持株会社レベルでの協業拡大を模索してきた経緯を明かした。
日本企業への含意
日本の商社・金融機関にとって、東南アジアの大手複合企業への出資を段階的に深め、傘下の金融・不動産子会社に個別に関与していく手法が参考になる。フィンテックやエネルギー、物流分野での共同事業参画の機会が広がる可能性があり、現地財閥との長期的な信頼関係構築が出資拡大の前提になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.22円 / 1000VND=6.08円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.62円 / 1SGD=123.37円 / 1USD=157.83円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

