インドネシア金融庁、融資3社上限規制を撤回 負債100兆ルピア超
インドネシア金融庁(OJK)は2026年9月17日、個人が借入可能なオンライン融資業者を3社までに制限する規制を撤回すると発表した。
OJK(日本の金融庁に相当するインドネシアの金融監督当局)は、個人が同時に借入できるオンライン融資(ピンダル)業者数を最大3社に制限する規制を適用しないと決定した。業界の発展と代替資金ニーズの高まりを踏まえた判断で、発表はジャカルタで17日に行われた。規制撤回後も、各業者には規制当局が定める義務の履行が求められる。背景には、個人向けP2P(ピア・ツー・ピア)融資の債務残高が2026年2月時点で100.69兆ルピア(約8887億9561万円)に達し、前年比25.75%増と急拡大していることがある。零細・中小企業(UMKM)向け融資も同年6月時点で前年比23.25%伸びており、資金需要の高まりが規制見直しの背景となった。
OJKによると、2026年4月時点で延滞90日超(TWP90)の不良債権比率が5%を超える業者は19社に上った。一方、2026年7月時点のオンライン融資全体の融資残高は105.63兆ルピア(約9324億124万円)に達している。OJKは「3社上限の撤廃後も、業者がリスク管理を怠ることは許されない」と述べ、与信審査の質の向上や健全なガバナンスの維持を各業者に求めた。なお、詐欺被害に関連して凍結された資金は811.1億ルピア(約7億1596万円)に上ったと報告されている。
背景
OJKは2026年8月の時点で、3社上限規制を業界動向と資金需要に合わせて見直す方針をすでに示していた。同規制は元々、個人が多数の業者から重複して借入れを行うことで過剰債務に陥るリスクを抑え、融資の質を維持する目的で導入が検討されていた。
日本企業への含意
日本の金融・フィンテック企業がインドネシアでオンライン融資事業に参入・提携する場合、借入先数の制限が撤廃されたことで利用者の多重債務リスクが高まる可能性があり、与信審査やリスク管理体制の強化がこれまで以上に求められる。不良債権比率の高い業者が一定数存在する点も踏まえ、提携先選定ではTWP90などの健全性指標の確認が重要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=88.27円 / 1000VND=6.10円 / 1THB=4.70円 / 1PHP=2.52円 / 1MYR=38.71円 / 1SGD=123.75円 / 1USD=158.15円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

