ベトナム、54km高速鉄道を2029年開業へ 建設範囲拡大
VinSpeedなど施工連合が、ホーチミン市のベンタイン~カンゾー高速鉄道54kmの建設範囲を拡大し、2029年の商業運行開始を目指すと発表した。
VinSpeed(ベトナム最大財閥ビングループ系の高速鉄道事業会社)とVinhomes・SGCによる施工連合は2026年10月30日、ホーチミン市中心部とカンゾー地区を結ぶベンタイン~カンゾー高速鉄道(全長54km、最高設計速度350km/h)の建設範囲を拡大し、主要工区の着工を進めると発表した。同鉄道は2025年12月に着工しており、2028年第4四半期に工事完了・試運転を終え、2029年中の商業運行開始を目指す。ピーク時には最大1万人の作業員・技術者を動員する計画。
高架橋には鉄筋コンクリート製桁1300本を使用し、3カ所の製作ヤードで15カ月かけて製造、1ヤードあたり1日1〜2本のペースで生産する。型枠長は32m、運搬・架設設備の荷重は900トン。サイゴン港付近では直径13mのシールドマシン(TBM)で全長2kmのトンネルを掘削し、地下駅のベンタイン駅は全長566m・深さ34m。カンゾー橋の主径間は360m、両端の高架橋は合計4.4km。完成後は都心からカンゾーまで13分、運行間隔5分を見込む。全用地の引き渡しは2026年第4四半期を予定。VinSpeedは2025年5月設立、資本金6000億ドン(約36億7234万円)で発足後、2025年12月に4兆5000億ドン(約275億4257万円)に増資し、創業者ファム・ニャット・ヴオン氏が51%を保有する。
背景
プロジェクトは2025年12月に着工し、約1年間で地質調査や用地整備、工事用道路建設、カンゾー車両基地や主橋などでの杭打ち工事が進められてきた。VinSpeedは2025年5月設立で、同年12月の増資に加え、ビングループ(ベトナム最大の民間複合企業。EVのVinFastを傘下に持つ)株式(VIC)による出資も受けている。
日本企業への含意
高速鉄道関連の橋梁資材・TBM機材・信号システムなど、日本の建設・重工業メーカーには資機材供給や技術協力の商機が生まれる可能性がある。また、ホーチミン市とカンゾー港湾エリアを短時間で結ぶ輸送網整備は、物流・不動産分野の日本企業にとって沿線開発への参入機会となりうる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.10円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.48円 / 1MYR=38.90円 / 1SGD=123.27円 / 1USD=157.88円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

