フィリピン、620MW原発民営化に議員反対 国有維持を要求
フィリピン下院議員が、稼働歴のないバターン原発(PNPP)の民営化方針に反対し、政府が100%保有を続けるべきだと主張した。
パンガシナン州第2選挙区選出のマーク・コファンコ下院議員は2026年10月30日、バターン州にある出力620メガワットのフィリピン原発(PNPP)の民営化構想を批判した。PNPPは建設後約40年にわたり稼働せず凍結されたままの原発施設で、エネルギー省(フィリピンのエネルギー政策を所管)のシャロン・ガリン長官は以前、民間開発業者への売却や、民間エネルギー企業との提携による政府の出資参加を検討していると述べていた。コファンコ氏はこれに対し、PNPPは国民の資産であり、民営化せず100%国有のまま維持すべきだと主張した。
コファンコ氏は、民営化によって国のエネルギー需要への対応がさらに遅れることを懸念していると述べ、「時間が経つほど我々は遅れを取っている」と訴えた。その上で、政府に対しPNPPの再稼働に向けた具体的な計画を示すよう求め、原子力発電の確保によって国家送電網を強化すべきだと主張した。また、政府の運営能力への不安があるのであれば、建設・運営・保守を民間に入札させ、民間企業に原発運営の能力を証明させればよいとの考えも示した。発言は、原子力推進団体のAlpas Pinasが主催したメディアフォーラムで行われた。
背景
PNPPはバターン州に建設された620メガワットの原子力発電施設で、完成後約40年間一度も稼働することなく凍結状態が続いている。エネルギー省のガリン長官は以前、PNPPの民間開発業者への売却、または民間エネルギー企業との提携を通じた政府の出資参加という方向性を検討していると表明していた。
日本企業への含意
日本の電力・プラント関連企業にとって、PNPPの再稼働や運営形態をめぐる政府方針が固まれば、再稼働工事や運営保守の入札機会が生まれる可能性がある。ただし国有維持か民営化かで政治的な議論が続いており、事業参入を検討する企業は政策の方向性が定まるまで情報収集を続ける必要がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=87.10円 / 1000VND=6.12円 / 1THB=4.68円 / 1PHP=2.48円 / 1MYR=38.90円 / 1SGD=123.27円 / 1USD=157.88円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

