東南アジア9000万人超、26-27年エルニーニョで干ばつ拡大 マレーシアも
BMIは2026〜2027年エルニーニョで南部アフリカと東南アジアの干ばつ・熱波・電力リスクが最も急上昇すると発表した。
Fitch Solutions傘下の調査会社BMIは10月26日、2026〜2027年に発生するエルニーニョ現象により、南部アフリカと東南アジアで干ばつ・熱波・電力供給のリスクが各地域の中で最も急上昇すると発表した。対象地域は南部アフリカ、東南アジア、中米、南米北部、メキシコ、カリブ海沿岸。東南アジアではコメ、タイの砂糖、インドネシアとマレーシアのパーム油、ベトナムのロブスタ種コーヒーが干ばつの影響を受けるとした。東南アジアは人口への影響が最大で、過去のエルニーニョ事例の平均では約9000万人が新たに干ばつの影響にさらされてきたという。
BMIによると、過去のエルニーニョでは対象地域の農地のうち高強度の干ばつにさらされる割合が平均で11〜12ポイント上昇し、ザンビア、ジンバブエ、中米の乾燥回廊地帯、フィリピン、タイ、ガイアナ、スリナムが特に深刻だった。水力発電の面では、南部アフリカ(ザンビア、ジンバブエが中心)で高強度干ばつにさらされる発電容量の割合が平均約19ポイント、メキシコ・中米で約12ポイント上昇した。フィリピン、タイ、マレーシア、ドミニカ共和国、ベネズエラ、コロンビアも東南アジア・カリブ海・南米北部で特にリスクが高いとされた。一方、メキシコ、タイ、フィリピン、マレーシア、南アフリカ、インドネシアは水力発電比率が発電構成の20%未満のため、システム全体の電力不足ではなくピーク時の供給制約として表れる可能性が高いとBMIは指摘した。
背景
この報告は2026〜2027年に見込まれるエルニーニョ現象の影響を扱ったもので、過去のエルニーニョ事例では複数地域で農地の干ばつリスクや水力発電容量に影響が及んできたことを踏まえている。
日本企業への含意
コメ、パーム油、タイ産砂糖、ベトナム産ロブスタ種コーヒーなどを調達する日本企業は、価格変動や供給遅延に備える必要がある。またマレーシアやタイ、フィリピンに生産拠点を持つ製造業は、水力発電比率が低くても渇水期にピーク時の電力制約が生じる可能性があり、自家発電や蓄電池システム(太陽光などで起こした電力をためる設備)の導入など電力確保策の検討が必要になる。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.83円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.39円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.86円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

