シンガポール、原子力人材育成4施策 27年にIAEA審査
シンガポール政府は原子力エネルギー人材育成に向けた4つの施策を10月26日に発表した。
シンガポール政府のエネルギー・貿易・産業省(METI)とエネルギー市場庁(EMA)は10月26日、原子力エネルギー分野の人材育成に向けた4つの施策を発表した。内容は①公務員が海外の原子力企業で経験を積む「シンガポール原子力人材開発プログラム」②民間企業の人材の研修・派遣費用を支援する「原子力人材開発プログラム(産業向け)」③海外のエネルギー分野の専門家を招く「シンガポール未来エネルギーフェローシップ」④国立シンガポール大学(NUS)とナンヤン工科大学(NTU)による原子力工学の共同修士課程、の4つ。発表は5日間開催のシンガポール国際エネルギーウィーク中に、マリーナベイ・サンズ・エキスポ&コンベンションセンターで行われた。
公務員向けプログラムは2027年から開始し、対象はエネルギー開発に携わる公務員。産業向けプログラムはシンガポールに拠点を置き現地で一定の事業基盤を持つ企業を招待制で対象とする。フェローシップは定員を定めず随時任命する方式を採り、第1陣は原子力の専門家で構成する。共同修士課程は定量的分野の学位があれば原子力工学の経験が無くても応募でき、2027年の開講を予定し、学生には原子力先進国での1〜2週間の研修が推奨される。エネルギー・貿易・産業相(エネルギー・産業担当)のタン・シーレン氏は、国連の原子力監視機関IAEAによる審査に備えつつ国内の専門人材育成を強化していると述べた。
背景
シンガポールは2026年5月、原子力発電導入の可否を判断するため、2027年に国連の原子力監視機関である国際原子力機関(IAEA)の審査を受けると発表していた。同国はまだ原子力発電の導入について最終決定をしておらず、選択肢として検討を続けている段階にある。
日本企業への含意
東南アジア全体で原子力人材の需要が高まれば、電力・エンジニアリング関連の日本企業にとって、シンガポールの研修制度や共同修士課程を通じた人材交流・技術協力の機会が広がる可能性がある。シンガポールが最終的に原子力導入を見送った場合でも、同国で育成された専門人材が地域の原子力案件に関与する可能性があり、日本企業は現地企業や大学との連携を検討する余地がある。
本記事の円換算は当日のレート(10000IDR=86.83円 / 1000VND=6.07円 / 1THB=4.65円 / 1PHP=2.46円 / 1MYR=38.39円 / 1SGD=122.71円 / 1USD=156.86円)によります。
出典
本記事は上記1社の報道にもとづきます。

